J-オイルミルズは8月6日、2022年3月期第1四半期決算の発表会をオンラインで開催した。八馬史尚社長は、「油脂製品の価格改定とミール価格の上昇を主因として、売上高は18.4%増の462億円となった一方で、62億円増という原料相場の急激な上昇によって、営業利益は13億1,000万円減の2億1,000万円の赤字となった」と振り返った。

〈関連記事〉J-オイルミルズ、紙パックのキャノーラ油・純正ごま油を新発売、プラスチック使用量60%削減

新型コロナの影響については、「家庭用市場は、2020年の外出自粛に伴う需要増の反動で、市場は前年を割っている状況が続いている。外食市場は前年同期より改善しているが、業態間の差も大きく、全体ではいまだ厳しい状況が続いている。中でも中食、デリバリー、テイクアウトなどはその需要増加により、経時劣化抑制の需要が増加しており、高付加価値スターチの需要拡大に寄与している側面もある」とした。 

油脂事業の営業損失は2億円(前年同期は営業利益10.7億円)となった。増減分析では、原材料コストで62.2億円のコストアップとなり、ミール販売単価の上昇で37億円の増益要因によって、油脂コスト全体では25.2億円の減益要因となった。それに対して、価格改定に伴う単価上昇、販売量増加、高付加価値品の影響を合計すると、14.7億円の増益要因となった。一方で生産量増加に伴う工場固定費、物流費などの増加で2.3億円の減益要因となったとしている。 

通期の業績予想については、5月発表の期首予想からの変更はないとした。業績予想の前提について、「原料の相場数値自体は改善しているように見えるが、ミールバリューの悪化、足元の為替状況、フレートコストの悪化を織り込むと、現実はやや厳しさを増している状況だ。すでに油脂3回、油脂加工品1回の価格改定済みで、特に油脂については、これまでにない頻度、幅の改定であり、外食のお客さまも厳しい環境の中での価格改定になる。丁寧に説明しながら、一方では長持ちする『長徳』によるコストダウンなどの提案も改めてしっかりと行いながら、着実に進めている」と説明した。 

今期よりスタートした第6期中期経営計画における成長戦略の一つであるスペシャリティフード事業強化について、「プラントベースド(PB)フード市場に9月から参入する。アップフィールド社との独占販売契約を締結することで、乳系PBフードブランド『ビオライフ』の家庭用PBチーズ・バターを9月から関東で先行販売し、10月以降、業務用製品も順次展開していく。植物性原料だけでつくったとは思えない、コクのある本格的な味が特徴のPB商品となり、日本ではまだまだニッチな乳系PBだが、早期参入することで市場拡大し、リーディングポジションを獲得していく」と意欲を示した。 

「ビオライフ」については、「丁寧に育てていきたい。これまで案内した反応として認識しているのは、品質の高さについて多くのユーザーから高い評価をもらっている。まだまだ新しいカテゴリーなので、カテゴリーとしての認知の獲得については、マーケティング活動と連動しながら、店頭でのコミュニケーションと合わせて進めていきたい。そちらも概ね前向きな評価をもらっている」と述べた。

〈価格改定は丁寧に環境を説明、予想よりも若干いいイメージで進んでいる〉
質疑応答で、価格改定に対する反応について、服部広取締役専務執行役員油脂事業本部長は、「3回の価格改定だが、反応ということでは、コロナ禍にあったので、1回目の時の交渉が一番厳しく、特に業務用については厳しかった。2回目の発表を含めて、営業担当は相当苦労したが、丁寧に環境を説明し、想定よりは徐々に理解が進んだ。3回目を交渉しているが、理解いただいて進めつつある。当初は相当遅れると見ていたが、予想よりも若干いいくらいのイメージで進んでいると見ている」と述べた。

八馬社長は、「外食のお客さまも厳しい状況にある中での価格改定の依頼で心苦しいが、コストのマネジメントを含めて、どのようにお役に立てるか、特に末端のお客さまとのコミュニケーションを今まで以上にしっかりと取りながら、油の使い方や『長徳』の提案を含め、しっかりと行いながら浸透に努めている。着実に理解をいただいていると認識しているので、一歩一歩進めていきたい」とした。 

〈大豆油糧日報2021年8月11日付〉