TERRA FOODS(神奈川県三浦郡)の大豆から作ったプラントベース生ミンチは、“肉汁”のジューシーさと弾力のある歯ごたえを魅力として訴求している。

2022年3月に開催された展示会「フーデックス」にも初出展し、製品の潜在需要の高さを実感したようだ。さまざまな問い合わせが舞い込んできており、工場の規模も若干だが、大きな所へ移設する計画があるようだ。

代表の中山アイク氏は、「大豆ミートはパサパサな食感になりがちだが、『T-MEAT』は“肉汁”のジューシーさにこだわった。噛み応えもリアルで、噛んでも戻る(肉の)イメージを再現した」と自信をみせる。
TERRA FOODSの中山アイク氏

TERRA FOODSの中山アイク氏

中山氏は以前IT業界にいたが、10年ほど前に、自分自身がヴィーガンになったことからヴィーガンの食に興味を持ち、植物性食品は、健康に良いだけでなく、環境問題の解決に貢献する食べ物であることに気づかされるうちに、自分でも菜食ビジネスを展開してみたいと思い、起業したという。
 
2016年3月に独自に開発したヴィーガン・パティを使ったハンバーガーを、東京や横浜を中心に、週末開催しているファーマーズマーケットやイベントにキッチンカーを借りて販売していたところ、購入者に「ヴィーガンの肉やチーズを自宅でも食べられるようにしてもらいたい」と声をかけられたことがきっかけで、小売市場向けの製品開発をTERRA BURGERからTERRA FOODSと事業部を拡大して開始することにしたという。
 
2017年5月には同社ブランドの「まるでチーズ」「まるでソーセージ」「まるでチキン」などを誕生させ、『T-MEAT』使用の生ミンチとパティを業務用として販売し始めた。
 
〈エクストルーダー使わず水分を極力飛ばさない方法で大豆ミート製造〉
TERRA FOODSの「T-MEAT」は、エクストルーダー(材料に水を加えながら、高温下でスクリューで圧力をかけ押し出し混練・加工・成形・膨化・殺菌等を行う装置)を使って製造されていない。「大豆ミートはエクストルーダーで高熱で高圧してしまうと水分が飛んでしまう。そうすると、パサパサな大豆ミートになってしまう。弊社では水分が極力飛ばない方法で大豆ミートを製造することに成功している。だから『T-MEAT』使用の生ミンチは成形も比較的簡単にできる」。
 
「T-MEAT」の最も特徴について、「植物由来の油分と水分を兼ね備えた「『T-FAT』を使うことでジューシーで肉らしい味と食感を再現している」とし、ヴィーガンだけでなく、普通にお肉を食べる人もターゲットにすることで、普及を加速していきたい考えがあるようだ。
 
販売に関しては、「BtoCには興味がない。BtoBにシフトして、研究開発に集中していきたい。ブランドを立てて、小売販売を行うには規模がまだ小さい。当面は、OEMでの供給に力を入れて事業を展開していきたい。事業規模が計画通りに大きくなってくれば、投資も募りたいと考えている」とする。
 
※OEM=メーカーが他社ブランドの製品を製造すること、またはその受託側企業。
 
 BtoBでは、オーダーメイドに応えられることが差別化だという。「実際にオーダーを受け、進行している案件もある」とした。
 
TERRA FOODS独自のオーダーメイドは、素材選びから関わり、完全なオリジナルのプラントベースフードミートを作ることができる。風味に関しても、OEM先がこだわったスパイスや調味料などを取り入れることが可能で、細かいニーズに対応しながら、ジューシーで、肉らしい食感、弾力の調整が可能となっている。
 
〈大豆油糧日報2022年6月22日付〉