全国農業協同組合連合会(JA全農)は、国産大豆の新たな需要創出・生産振興など国産農畜産物の発展に向け、このほど発芽大豆由来の植物肉を製造・開発するDAIZ(熊本市中央区)と業務提携を行った。国産大豆を原料としたプラントベース製品や国産食肉とプラントベースのミックス製品などの商品化に向け、共同研究を進めている。

JA全農は業務提携の経緯について、「国産大豆の新たな需要について調査を行う中で、プラントベース製品の需要の伸長に着目した。また、JAグループの農林中央金庫が出資しているDAIZは、大豆に関する知見を豊富に有しており、その技術力に関心を持った。国産農畜産物の発展に向けた考え方も一致し、業務提携に至った」としている。

広がりを見せるプラントベース市場だが、そのうち国産大豆を原料とした製品の構成比は未だ少ない。「(市場に流通している)プラントベース製品は、輸入脱脂大豆などを使用した製品が多いと考えられる。一方、DAIZではJA全農が供給する国産大豆(丸大豆)を発芽させ、その発芽大豆を原料としたプラントベースフードの製造が可能であり、国産大豆の価値を高めてくれると考えた」と話す。

〈DAIZと共同研究を推進、国産大豆の新たな需要創出図る〉
牛肉と豚肉の合い挽きがあるように、国産食肉とプラントベースをミックスした製品(ハンバーグなど)や100%プラントベース製品などを商品化し、小売店や生協などで展開していく計画だという。加えて、学校給食や中食にも広げていく考えだ。すでにプロトタイプは出来上がっており、展示会などで紹介を進めている(写真は試作品)。

商品化に向けては、「第一においしさを追求し開発を行っている。国産の大豆や肉を使用したおいしいプラントベース製品を発売したい。国産原料による安心感も消費者の方に抱いて頂けるのではないか」と話す。

JA全農では、この取り組みを通じて、国産大豆の新たな需要開拓、国産農畜産物の更なる発展を図ることを目的としており、「豆腐やみそ、納豆など既存の用途に加え、新しい形での国産大豆の消費を促したいという狙いがある」としている。

大豆は、主食用米の需要が減少する中、水田の転作作物として期待されている。「豆腐やみそ、納豆においても今後需要が増える可能性は十分あるが、それ以外の分野でも国産大豆が求められるようなれば、農家の方は安心して大豆の生産を増やすことができる。既存のユーザーへの販売はもちろん重視しつつ、プラントベースフードなど分野を広げていきたい」との方針だ。

新たな需要創出に向け土台は整いつつあり、JA全農における令和3年産の集荷実績は当初見込みを上方修正し(今年3月末時点で)18万t以上となり、2年産を大きく上回る見込みだ。今年産(令和4年産)の大豆作付面積も増加見通しで、集荷数量についても3年産を上回る見込みとしている。

「昨今は天候被害の影響が続き、2年産については集荷が16万t台となり、契約栽培取引を中心に販売させて頂き既存ユーザーのニーズに応えきれていない部分もあった。しかし、今年産の作付面積は増加する見通しで、20万t台が見えてきている。既存ユーザーのニーズにしっかり応えつつ、生産が増加した分をプラントベースフードなど新たな分野に向けて販売していきたい」と意気込む。

〈大豆油糧日報2022年6月23日付〉