ニップン、40年ぶり国内新製粉工場 愛知・知多に稼働、国内製粉供給体制を強化
ニップンは、愛知県知多市に建設した製粉工場「知多工場」を稼働させた。国内で新たに製粉工場を建設するのは1985年の福岡工場以来、約40年ぶり。最新設備を備えた新工場の稼働により、国内の製粉供給体制の強化を図る。
同社は3月5日、名古屋市内のホテルで記者会見を開き、知多工場の概要を説明した。会見後には報道関係者向けの工場見学会も実施した。

ニップンの前鶴俊哉社長は、「これまで各工場でライン増設や設備更新には取り組んできたが、更地から新たに製粉工場を建設するのは40年ぶりになる」と説明。そのうえで「将来にわたり小麦粉を安定的に供給していくために重要な拠点になる」と新工場の意義を話した。
また、最新設備を備えた新工場について、製粉工程の自動化やデータ活用を進めることで品質と生産効率の向上を図るねらいを説明した。立地面では、原料小麦の受け入れや製品出荷の効率化を見据えた拠点であり、中京圏を中心とした供給体制の強化につながるとの認識を示した。
知多工場は中京・近畿地区の製粉生産体制を再編する取り組みの一環として建設された。大阪工場と名古屋工場の機能を再編し、供給体制の効率化を図る。

知多工場は臨海部に立地し、大型穀物船が接岸できる原料サイロに隣接する。原料小麦を直接搬入できるため物流効率が高まり、調達コストの削減にもつながる。今回の再編により、同社製粉工場に占める臨海工場の比率は83%から95%に高まる。

知多工場では自動化技術やデジタル技術を活用した最新鋭のスマートファクトリー化を進めた。流量や製品分析などを自動測定・調整するシステムを導入し、製粉工程の精度向上と効率化を図る。製品切り替え作業の自動化などにより作業負荷の軽減も実現する。立体自動倉庫も備え、製品の仕分けや搬送をロボットで自動化することで物流効率の向上にも対応する。

生産能力は2ラインで1日600トン。将来的な需要に備え、ライン増設が可能なスペースも確保した。

また、津波などの浸水リスクを考慮し、建物の1階床レベルを嵩上げするとともに主要電気設備を2階以上に配置するなど災害対策を強化。環境面では太陽光発電設備を導入し、使用電力を実質100%再生可能エネルギーとするなど、同社初のカーボンニュートラル工場として運営する。
国内の製粉工場は多くが高度成長期からバブル期にかけて整備されており、新設工場の建設は長らく限られてきた。今回の知多工場の稼働は、国内製粉産業における大規模設備投資としても注目される。
ニップンは知多工場を国内製粉事業の中核拠点のひとつと位置づけ、安定供給体制の強化につなげる考えだ。







