「ボンカレー」の新たな挑戦は「カレーうどんの素」、家庭でも楽しめる“そば屋で食べるあの味”、アレンジレシピで人気ナンバーワンが開発のきっかけに/大塚食品

大塚食品「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素」(「だし薫る和風仕立て(中辛)」「スパイス香るピリ辛キーマ仕立て(辛口)」)
大塚食品「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素」(「だし薫る和風仕立て(中辛)」「スパイス香るピリ辛キーマ仕立て(辛口)」)

大塚食品は3月4日から、「ボンカレー」ブランドから初となるカレーうどん専用の「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素」を全国で発売した。2023年に“世界最長寿のレトルトカレー”としてギネス記録を発表したロングセラーブランドの新たな挑戦は、“ライス”でなく“うどん”だった。

大塚食品、3月にカレーうどん専用の「ボンカレー」初めて発売、汁ありと汁なしの2種類を用意、「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素」2品

「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素」は、汁ありタイプの「だし薫る和風仕立て(中辛)」と、汁なしタイプの「スパイス香るピリ辛キーマ仕立て(辛口)」の2種類がある。箱ごとレンジで温めて、うどんにかければできあがることが特徴だ。「だし薫る和風仕立て」を実際に食べてみると、そば屋で食べるカレーうどんの味わいを目指していることがよくわかる。

テーブルマーク社による冷凍うどんの調査によれば、冷凍うどんの調理経験率で、1位のかけうどん(57,9%)に次いで多かったのが、カレーうどん(53.4%)だという。生活者の潜在ニーズは高いとみられ、レトルトカレー売場に新たな選択肢をもたらしそうだ。新商品の開発背景について、同社製品部でボンカレーを担当する中島千旭さんに話を聞いた。

大塚食品製品部 中島千旭さん
大塚食品 ボンカレー担当 中島千旭さん

==開発の経緯は。

「ボンカレー」のブランドサイトで長年アレンジレシピの提案をしてきましたが、その閲覧数ランキングを分析したときに、「カレーうどん」が最も人気だったことがわかりました。お客さんの反応を見て、改めてカレーとうどんは親和性が高いことに気づいたのがきっかけです。

また、食卓で麺の出現頻度が増加し、冷凍うどんを購入してストックする人が多くなったことにも着目しました。そこで、家にストックされることの多いレトルト食品と、冷凍うどんや乾麺を使用する「カレーうどん」の提案を行うことにしました。

「カレーうどん」を外食で好んで食べる方は多いです、しかし、自宅においては、「カレーライス」は食べても、「カレーうどん」はほとんど食べられていないことが調査でわかりました。知名度が高いレトルト食品の「ボンカレー」から「カレーうどんの素」を発売することで、食べたい時に家で食べられるという気づきを与えられたらと考えました。

==中身の工夫について。

アレンジレシピでは、従来の「ボンカレー」に具材や調味料を足し、うどんをかける提案でした。ただ、どうしてもだし感や旨みがないと、うどんとカレーのつなぎにならず一体感が出ません。「ボンカレー」はかけるだけで失敗せず、おいしく食べられることが特徴なので、かけるだけでおいしいカレーうどんの素を作ろうと取り組みました。

「ボンカレーゴールド」「ボンカレーネオ」は、2023年に6年ぶりの新商品を発売するなど、いろいろな挑戦を行っています。昨夏はにんにくの味わいなど、これまでの甘口・中辛・辛口とは違う切り口の味を出したところ、好調な売れ行きになりました。2024年は「ボンカレー」の新しい価値提案とは何かを考え、ごはんではない新しい主食とのマッチングにチャレンジします。

==パッケージが非常に印象的です。

和のテイストの落ち着きのあるイメージにしました。また、店頭で見た時に、“カレーうどんの素”だということを伝えるために、うどんの文言を大きく打ち出しています。

==ターゲットは。

全世代に向けて提案しますが、主に汁ありタイプは50代から60代の男女、汁なしタイプは20代から30代男女としています。

==味わいについて。

味については、やっぱり蕎麦屋さんのカレーうどんがおいしいという声が大きかったので、その期待に応えようと考えて、だしにこだわり、王道の味にしています。また、「ボンカレー」の特徴でもある60分間炒めたあめ色玉ねぎの甘みとコクや、食材には国産野菜を使用するなど、「ボンカレー」らしさも取り入れて味作りをしました。

通常の「ボンカレー」がベースにはなっているものの、原材料も異なるものとなっています。具材も通常の「ボンカレー」は、ごろっとした具材ですが、汁ありタイプの「だし薫る和風仕立て」は、千切りの人参や玉ねぎを採用。うどんに合う粘度のカレーソースとなっています。また、和だしの旨みを出すため、かつおぶし、北海道産真昆布、長崎県産の煮干しだしを使用しています。国産きざみ揚げ入りも特徴です。

汁なしタイプの「スパイス香るピリ辛キーマ仕立て」は、具材を小さめのダイスカットにし、うどんにからみやすいカレーソースを採用しています。汁なしタイプはスパイス感を楽しめることが特徴なので、ガラムマサラ、粗挽き唐辛子や黒こしょうをアクセントに、隠し味に昆布を使用しました。

==2品を同時に発売する狙いは。

小売店のレトルト棚の売り場は、たくさんの商品がありますが、カレーうどんの素はほとんど見あたりません。その中で2品投入する方が目立って話題になると考えました。汁なしの混ぜて食べるタイプは、若い方を中心に新たなお客様にも知っていただくチャンスだと思っています。

==販促策について。

発売日から、認知促進に向けてプロモーションを展開していきます。また、冷凍うどんなどの売り場にも什器を設置し、多くの方に知っていただきたいと考えています。

==「ボンカレー」の状況は。

2023年の売り上げは2ケタ増で伸長しました。今年は「カレーうどん」の展開などにより、新しいお客様にもアプローチして勢いをさらにつけていきたいと考えています。「ボンカレー」ブランドの鮮度アップにもつながるので、新しい提案は今後も続けていきます。

「ボンカレー 旨みを味わうカレーうどんの素」は、認知拡大に向けて、冷凍うどんナンバーワンシェアのテーブルマーク社とのコラボレーションを実施する。3月中旬から2社共同でアレンジレシピを公開し、3月下旬からは「X」を活用した2社共同のプレゼントキャンペーンも実施するという。ロングセラーブランドが既存の売り場から飛び出した異例の取り組みとなる。

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食品産業新聞

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創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
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