ケンコーマヨネーズ、千代田区麹町に本社移転、狙いは顧客接点の増加と働く環境整備
ケンコーマヨネーズは本社を東京都千代田区の麹町弘済ビルディング11・12階へ移転し、2月24日から業務を開始した。本社移転を中長期的な企業価値向上の一環と位置づけ、すべてのステークホルダーとのコミュニケーションの活性化と連携強化、多様な人材確保につなげる考えだ。
島本国一社長は移転の狙いを2つ挙げる。1つ目は顧客接点の増加だ。
「以前は都心から少し距離があったが、この麹町だとお客様に比較的来てもらいやすい環境だと思う。業務用のお客様への提案、講習会など多目的に活用できるキッチンスペースとして、クッキングラボを設置した。実践的な調理環境を再現できる設備を揃え、よりお客様の目線に立ち、ニーズに応える提案を行いたい」と話す。

同社は2月、中長期経営計画を見直し、顧客と共創する『インキュベーション』機能の構築を成長戦略の1つに掲げており、このクッキングラボを拠点に、顧客との共同開発や試作を行い、食の課題解決に挑むという。
『インキュベーション』には「卵を孵化させる」という意味があり、ビジネスでは、新規事業の育成・支援を指す言葉で使われる。「お客様から、こんな商品があったらいいよね、というアイデアを引き出し、当社の技術を掛け合わせれば、もっとできることがあると思う。お客様とのコミュニケーションを密にして、想いを商品に具体化させる。実際、その商品に市場性があるかどうかも共に確認して、商品を育てていく。お客様からオーダーされるOEMや特注品の開発とは性格が異なる。お客様と共創して新しい商品の種を孵化させるのがこの場所だ」と役割を示し、「世の中にない商品を作り出せたら嬉しい」と力を込める。
2つ目が、従業員の働く環境の整備だ。
新オフィスは、個人席に加え、集中作業や打ち合わせなど目的別に選べる多様な席種を用意した。Activity Based Working(ABW、その時の仕事に合わせて働く場所を自分で選べるスタイル)を導入し、自律的な働き方を促進しながら生産性の向上を図る。

「当社では毎月1on1ミーティングを実施している。上司と部下がしっかり話ができるスペースも作った。従業員同士のコミュニケーションを活性化させ、働く意欲を高めることができれば」と話す。
また、従業員が休憩や交流に利用できるカフェスペース「K.Brew Cafe」も設置。名称は社内公募で決定した。部署を超えたつながりを深める場として機能させる。12階には同社関係者のみが利用できる専用テラスがあり、見晴らしの良い環境でリフレッシュできる。
現在、11・12階の2フロアで、約300人の従業員が勤務している。
移転後、従業員からは、「大きな変化にまだ慣れていない部分はあるが快適」「すべてが新しく整っており気持ちがいい」「1フロアの中に販売から生産までほぼすべての部署が集約されたので、部署間の壁がなくなり、交流が増えた」などの声が聞かれたという。








