井村屋新工場「アイスFACTORY」竣工 あずきバー4億本体制へ、海外も強化

井村屋新工場 あずきバー充填ライン
井村屋新工場 あずきバー充填ライン

井村屋グループは6月5日、三重県津市の本社敷地内に約40億円を投じて建設した新工場「アイスFACTORY」のメディア発表会を開いた。主力商品の「あずきバー」を中心とした冷菓商品の供給体制強化と新たな価値創造を担う拠点となる。あずきバーの生産能力を従来比1・3倍に引き上げる。

井村屋 新工場「アイスFACTORY」外観
井村屋 新工場「アイスFACTORY」外観

冒頭、井村屋グループの大西安樹社長があいさつし、新工場について「新しい魅力のある商品を提供できる機能を備えている。『おいしい!の笑顔をつくる』というグループパーパスの実現に向けて、日本だけでなく世界に向けて展開を進めていく」と述べた。

続いて井村屋の岩本康社長は、「あずきバーシリーズは2025年度に約3億3500万本を販売した。今回の設備増強により4億本という数字も見えてきた」と述べ、販売拡大に意欲を見せた。

岩本社長によると、あずきバーは1973年の発売以来、販売数量を伸ばしてきた。2006年、2011年とライン増強を行ってきたものの、近年の猛暑に伴い需要が拡大。さらなる安定供給体制の構築が必要になったことから新工場建設を決めたという。

新工場の目的として「生産能力の拡大」と「新価値創造」の2つを挙げ、「あずきバーを主軸としながら特色をさらに磨き上げ、新しい価値を持つ商品を展開できる工場、次世代のあずきバーを発信できる工場にしたい」と強調した。

あずきバーシリーズ
あずきバーシリーズ

同社はこれまで、7~8月の需要ピークに備えて1~3月から前倒し生産を行ってきたが、新工場の稼働により在庫量を圧縮できる見通し。中野憲一専務兼生産本部長は「必要な時にタイムリーにお客様の手元に届けるように瞬発力をつける」と述べた。

新工場は既存アイス工場に隣接して建設。電力や蒸気、排水処理などのユーティリティ設備を共有することでエネルギー効率を向上。鉄骨2階建て(延べ面積約2276平方メートル)で、原料は自動倉庫に直納される。76パレットを収容でき、小豆と砂糖を保管。庫内を20℃に保つことで原料の品質維持を図る。

2階の仕込み工程では、素材の良さを引き出す新技術を採用した。1階の充填工程では、新たな「バーサライン」の導入によって生産能力を約1・3倍に引き上げる。スティック抜き取り工程の安定性も向上させた。同設備はアメリカ製だが、部品を国産化することで部品調達のリードタイム短縮とトラブル時の早期復旧を可能にした。このほか、大幅な節水も実現した。

包装工程では、単品商品や箱入り商品の本数を柔軟に切り替えられる包装ラインを導入した。

既存アイス工場の人員が一部業務を兼務することに加え、仕込みや包装工程への新設備導入により、従来約13人を要していた人員を約10人に削減した。

当面は既存のBOXあずきバーや単品あずきバーを生産する。第2期工事としてコーティング設備の導入を計画しており、粒たっぷりの高付加価値型商品やチョコレート、フルーツのコーティングなどを施した進化系あずきバーに加え、フルーツなどを活用した新たなバーアイスの開発を進める。商品化は2027年度以降を想定している。

なお、2025年度の海外事業売上高比率は約8・5%で、今後は冷菓事業を中心に拡大し、10%超への引き上げを目指す。冷菓輸出では最中アイスが中心となっているが、看板商品のあずきバーの拡大を図る。