「JAL PLAZA」が好調、羽田空港内の3店舗を比較

「JAL PLAZA 羽田空港 FLIGHT SHOP」
「JAL PLAZA 羽田空港 FLIGHT SHOP」

JALグループの空港ショップ「JAL PLAZA」が好調だ。羽田空港にある3店舗では、立地や客層に応じた売り場づくりを展開し、いずれも売上上位を記録。なかでも第1ターミナルの「羽田空港 9番ゲートショップ」は、繁忙期には月商9000万円に達する。

◆利用客は40~50代のビジネスパーソン中心、客単価は1000円~1500円/「9番ゲートショップ」

「9番ゲートショップ」
「9番ゲートショップ」


現在JALUXエアポートでは、羽田空港内においてJAL PLAZA11店舗と今年3月に初出店した成城石井店1店舗の計12店舗を運営している。このうち第1ターミナルにある「9番ゲートショップ」は、羽田空港内の売り上げ1位店舗だ。同店の月商は約8000万円、繁忙期には約9000万円に達するという。全国では新千歳空港内の店舗に次ぐ2位となっている。

機内に持ち込める弁当メニューが充実(9番ゲートショップ)
機内に持ち込める弁当メニューが充実(9番ゲートショップ)

飛行機の搭乗前や到着後に利用できるゲートラウンジ内という立地を活かし、ペットボトル飲料や菓子、土産、弁当類を中心に数百品目を取り扱う。客単価は1000円~1500円程度。最も混むのは早朝で、出張に向かう40~50代のビジネスパーソンの利用が多いという。

JALUXエアポート店舗営業部東日本エリアマネージャーの郡享子氏は、「季節性を重視した商品構成を意識している。1~2カ月ごとに強化商品やブランドを重点的に前面で展開し、売り場の活性化を図っている」と話す。今年6月には大型連休後でイベントが少ないことから、幅広い層の需要が見込める「横濱ハーバー」を取り上げ、1000円~3000円程度の商品を取りそろえた。

菓子カテゴリーでは、自分用途として1000円以下で値ごろ感のある焼き菓子、ビジネス用途では2000円程度の個包装された箱入り商品の人気が高い。洋菓子は「東京ラスク」や「帝国ホテル」の商品が堅調だ。和菓子は「皇居外苑どらやき」「同 きんつば」の人気が高く、全体的に認知度の高い定番商品が良く売れるという。

バリアフリーの床面や広い通路、陳列棚からレジまでのスムーズな動線など、選びやすく、購入しやすい売り場づくりも特徴。「陳列においては見た目の美しさ、ボリューム、高さを意識している」(郡氏)。今後は集客力のある東京銘菓の取り扱いを強化し、ついで買いを促していく。

◆限定品や模型をそろえるJALのセレクトショップに/「FLIGHT SHOP」

「FLIGHT SHOP」では雑貨も展開
「FLIGHT SHOP」では雑貨も展開


「羽田空港 JAL PLAZA FLIGHT SHOP」は、第1ターミナル1階のゲート外にあり、飛行機の乗降客以外でも利用できる店舗だ。「空と旅」をテーマとしたセレクトショップとして、JALのオリジナルグッズや機内で提供するドリンクのほか、ランチボックス、タンブラーなどの日用品、専門知識が求められる模型まで幅広い商品を取りそろえている。

店内はSOUVENIR(土産・食品)、AIRPRO(航空関連雑貨)、TRAVEL FASHION(旅行雑貨)の3つのカテゴリー別に売り場をつくり、それぞれのイメージにあわせた照明や什器で空間を演出している。「24年末に閉店したJAL PLAZA有楽町店の後を継ぐ役割も担っている。JALクーポンの利用者や模型好きな方の来店も多いことが特徴」(JAL PLAZA羽田空港FLIGHT SHOP副店長中川華佳氏)。他の羽田空港内店舗に比べて客単価はやや高い2000円程度。混雑する時間帯は平日の11時~13時と夕方から夜にかけて、週末は日によって異なるという。

◆機内提供ドリンクやオリジナルカップ麺はケース販売にも対応

オリジナル商品は専用棚を設置(FLIGHT SHOP)
オリジナル商品は専用棚を設置(FLIGHT SHOP)


土産・食品エリアでは、地方の特産品を数多く展開し、物産館のような雰囲気がある。到着後、ホテルへの持ち帰り需要に応える商品も取りそろえており、酒類や冷蔵蒲鉾などの人気が高い。

JALオリジナル商品として、機内で提供するドリンク「スカイタイム」やオリジナルのカップ麺「らーめんですかい」は売れ筋だ。専用棚を設け、店頭効果を高めて提案している。ヘビーユーザー向けにケース販売にも対応。ワインについては、2000円程度の手ごろな価格帯からラウンジで提供する高級銘柄まで幅広く取り扱う。

◆初出店の「成城石井」、空港らしさと日常使いを融合

空港初の成城石井店舗
空港初の成城石井店舗


多角化の一環として、2025年3月には、成城石井とのフランチャイズ店舗「成城石井 SELECT JAL PLAZA羽田空港店」を第1ターミナルの到着ロビー1階にオープンした。同店は成城石井初の空港店舗だ。

羽田空港限定商品を紹介(成城石井SELECT)
羽田空港限定商品を紹介(成城石井SELECT)

店内には、成城石井らしさを生かした品ぞろえとして、弁当や総菜、デザート、土産菓子を中心に約2000アイテムを取りそろえている。差別化を図るため、飲料については他店舗や自販機よりも高価格帯を提案している。他の成城石井店舗よりも男性客が多いことから、食べ応えのある肉系のメニューの弁当を多めに用意し、レジ横の棚に並べて展開している。同店の客単価は880円程度。売り上げ目標は日商約100万円、月商約3000万円で、25年4月の実績は約2800万円となった。

肉系メニューを豊富に取り揃える(成城石井SELECT)
肉系メニューを豊富に取り揃える(成城石井SELECT)

客層は飛行機の乗降客や空港で働く従業員が中心だが、都内近郊に住む〝成城石井ファン〟も少なくないという。「横浜から江東区あたりまで幅広いエリアの方に利用していただいている。空港店舗ならではのエンタメ性も支持されるようだ」(同社)。

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食品産業新聞

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創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
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