ネスレ日本、大阪・関西万博スイスパビリオンで見せる循環 毎日の一杯・一枚から未来へ

ネスレの想いや未来社会に向けた取り組みを、AI&ジェネラティブアートで紹介
ネスレの想いや未来社会に向けた取り組みを、AI&ジェネラティブアートで紹介

◆一杯・一枚から描く「A Taste of Good for Tomorrow」

研究機関やスタートアップの展示が並ぶ大阪・関西万博のスイスパビリオンに、ネスレの展示がある。会期は10月13日まで。時代の最先端の可視化で未来を語る場で、ネスレ日本は“毎日の一杯・一枚”を手がかりに、循環の姿を自社の商品を通して紹介している。

◆スイスらしさを体験できる構成

切り絵で“スイスらしさ”を探すウェルカム展示
切り絵で“スイスらしさ”を探すウェルカム展示

スイスパビリオンは、5つの球体で構成されたユニークなデザインで、シャボン玉のような外観が特徴。「ハイジと共に、テクノロジーの頂へ」をキャッチフレーズに、スイスの文化の多様性や最先端技術をテーマ別に紹介している。

入り口の切り絵の展示では、スイスの広大な自然の中に『アルプスの少女ハイジ』の登場人物や科学者のアインシュタイン、格闘家のアンディ・フグなどが隠れており、来場者が探して楽しめる仕掛けだ。

シャボン玉が次々と浮かぶ展示室もある。未来への思いをマイクに向かって話すと、AI技術でデジタルアートとしてシャボン玉に反映される。

◆ネスレ展示「コーヒーとチョコレートの循環」

生産地や農家とともに未来を育む再生農業「ネスカフェ プラン 2030」・「ネスレ カカオプラン」を解説
生産地や農家とともに未来を育む再生農業「ネスカフェ プラン 2030」・「ネスレ カカオプラン」を解説

ネスレの展示では、コーヒーとチョコレートを手がかりに、土壌→生産(コーヒー豆やカカオ豆)→製品→消費→消費後までつながる循環を、映像インスタレーションで示す。アーティスト・江原彩子氏によるAI&ジェネラティブアート映像の画面が切り替わるたび、日常の味が未来とつながる。

ここには紙製ポッドを採用した「ネスカフェ ドルチェ グスト ネオ」や、紙包装の「キットカット」が登場する。日々の選択が明日の当たり前になるという姿勢を、体験で伝えるねらいだ。

ネスレのブースを紹介するコーポレートアフェアーズ統括部長の嘉納さん
ネスレのブースを紹介するコーポレートアフェアーズ統括部長の嘉納さん

ネスレ日本執行役員 コーポレートアフェアーズ統括部長の嘉納未來さんは、展示について次のように語る。

「食の未来を考えたときに、全く新しい食や食卓というよりは、1日1日、一食一食が、良い毎日や生活、未来につながる。今ある一杯一杯のコーヒーや、一枚一枚のチョコレートを、これからもおいしく楽しく、環境に配慮して届けられるようにしたい」。

「キットカット」は“がんばる人を応援”
「キットカット」は“がんばる人を応援”

「ネスカフェ」は、原料・抽出・容器・使用済みのパッケージの循環までを視野に、環境配慮を日々の一杯にどう宿すかを具体的に示している。一方、「キットカット」は「がんばる人を応援する」という気持ちの価値を中心に据える。

紙包装やメッシュ素材を使った水引などのアップサイクル小物。選択が循環を生む
紙包装やメッシュ素材を使った水引などのアップサイクル小物。選択が循環を生む

嘉納さんは、「原材料から消費をした後のパッケージのアップサイクルまで、いろいろな未来への取り組みをしています」と話した。

◆毎日の一杯から未来につなげる

紙製ポッドや芽生えをモチーフに循環を紹介
紙製ポッドや芽生えをモチーフに循環を紹介

ネスレの展示は、パビリオン内の気候変動や都市農業、生物多様性など将来像を描く他の研究展示と並び、“いま手に取る一杯・一枚”からその将来像へ橋をかけるもの。研究と生活の距離を近づける活動を紹介している。

「研究が未来を描くのだとしたら、私たちは毎日の一杯や一枚から、未来につなげていくことをお伝えしたい」と嘉納さんは話す。

◆来場者の発見と手応え

来場者からは、「ネスカフェやネスレがスイス発だとは知らなかった」「キットカットもネスレなんだ」という声が多いという。身近な商品と企業の素性が一本につながる体験になっている。

「身近な製品と会社のつながりを知ってもらえるのは、やっぱりうれしいですね」(嘉納さん)。 スイスパビリオン側もネスレを「重要なパートナー」と位置づけ、原材料から消費後まで続く取り組みがコンセプトと響き合う点を評価している。

◆ビジネスでもサステナビリティの注目集まる

この展示は、情報発信にとどまらず、顧客を招き、日常に根ざした取り組みを体感してもらう機会としての活用も進んでいる。流通の現場で高まるサステナビリティへの関心にも応えている。「普段の営業活動では伝えきれない、お客様を招いて体感してもらえる場にもなっています」(ネスレ日本 万博プロジェクト担当の平松拓也さん)。

◆スイスパビリオンの最新研究

スイスパビリオン外観(写真提供:FDFA, Presence Switzerland)
スイスパビリオン外観(写真提供:FDFA, Presence Switzerland)

パビリオン内には、大学・研究機関・スタートアップによる最前線のプロジェクトが並ぶ。たとえば宇宙の過酷地形を移動する脚型ロボット、AIの信頼性を巡る取り組み、食×ロボティクスのフードテックなど。そうした“未来像”の群像の中で、ネスレの提案は日常に根ざした視点として際立っていた。

「非日常ではなく、日常の積み重ねをどう良くして未来につなげるか」。ネスレは、一杯・一枚の先に見えてくる明日をクローズアップしている。

媒体情報

食品産業新聞

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食品・食料に関する事件、事故が発生するたびに、消費者の食品及び食品業界に対する安心・安全への関心が高っています。また、日本の人口減少が現実のものとなる一方、食品企業や食料制度のグローバル化は急ピッチで進んでいます。さらに環境問題は食料の生産、流通、加工、消費に密接に関連していくことでしょう。食品産業新聞ではこうした日々変化する食品業界の動きや、業界が直面する問題をタイムリーに取り上げ、詳細に報道するとともに、解説、提言を行っております。

創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
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