ナンチク、鹿児島黒牛の新ブランド「黒乙女55」を発売

〈未経産牛でオレイン酸含有率55%以上、鹿児島の畜産をリードするブランドに〉
ナンチク(鹿児島県曽於市、南喜一社長)はこのほど、鹿児島黒牛の新ブランド「黒乙女55」を立ち上げた、と発表した。未経産牛でA5等級、オレイン酸の含有率55%以上と厳格な基準に基づいて認定しており、きめが細かく柔らかい肉質と、なめらかで上質な口どけ、豊かな風味、甘く上品な香りが特徴。現在、同社の営業所(13カ所)を通じて取引先に案内しているところで、鹿児島の畜産をリードするブランドとして、国内外へ販路を開拓していく方針だ。
全国和牛能力共進会で「和牛日本一」に輝いた鹿児島黒牛だが、同ブランドはその先の味を追求し、さらなる高みを目指すため開発された。同社のグループ農場(有)藤嶺牧場(曽於市、飼養規模約4,000頭:2025年現在)で飼養された未経産の黒毛和種を「黒乙女」ブランドとする。ナンチクでは年間約1万5,000頭をと畜処理しているが、そのうち「黒乙女」の認定を受けられるのは約1割以下であり、「黒乙女55」に至ってはさらに低い認定率で、非常に希少性の高いブランドとなっている。国内では近年、オレイン酸に着目した和牛ブランド化の事例がいくつか存在しており、消費者ニーズを意識して、「55%」の含有率に設定したという。ブランドロゴは、▽未来を見つめる牛のイラスト▽日の丸と鹿児島のシンボルの桜島▽発展と成長を意味する花びらライン――をテーマにデザインした。

今月5日から7日まで鹿児島市内で開かれたイベント「ウフッ!うま!黒フェス。」では、「黒乙女55」の焼肉と「黒乙女」のローストビーフを3日間で計7,000食分試食として振る舞い、新ブランドの味わいに多くの来場者から好評を得たという。

今後の「黒乙女55」のブランディングについて、同社は「鹿児島の畜産をリードするブランドを目指して立ち上げたため、将来的には鹿児島県民をはじめ、全国、そして世界に愛されるブランドに育てていきたい」とコメントしている。
〈畜産日報2025年9月17日付〉