「上島珈琲店 Woven City(ウーブン・シティ)店」オープン、コーヒーの潜在価値の実証から新たな可能性へ

UCCジャパンは、9月25日にオフィシャルローンチを迎えたToyota Woven City(トヨタ ウーブン・シティ、静岡県裾野市)で、新たなコーヒーの価値創造を目的に「上島珈琲店 Woven City店」をオープンした。
トヨタ自動車の未来のモビリティの実証都市ウーブン・シティは、2020年のCESで当時の豊田章夫社長が構想を発表し、ウーブン・バイ・トヨタ株式会社とともに開発を進めてきた。この街を活用して新しいプロダクトやサービスを開発・実証する企業・個人は、Inventors(インベンター/発明家)と呼ばれ、企業20社が参画している。

同社はウーブン・シティにて主力カフェ業態「上島珈琲店」を開業し、ここで生活する人々の交流や憩いとなるカフェ機能に加え、コーヒーが人々の創造性や生産性に与えるポジティブな影響を実証環境を活用して解明する。

具体的には同店で専用エリアを設け、滞在中の実験参加者の様子をカメラで捉える。AIによる画像解析や参加者の感情の主観評価などを実施し、店舗の環境やコーヒーの香り・味わいがヒトの集中力や作業パフォーマンスに与える影響を検証する。この研究により、コーヒーが持つ力を最大限に引き出すための飲み方や環境づくりを考案し、未来のコーヒー体験やアイディア創出を促すカフェ空間を創造する。

将来的には、次のステップアップした実証実験を予定する。スマートウォッチデバイスなどで、毎日の生活の中でのバイタルデータを計測し、コーヒーを習慣的に飲み続けることで人の心身の健康に生じる変化を調査する。また対話や会議など対人的な場面におけるヒトの音声や画像などの様々なデータを測定し、そこにコーヒーが介在することでヒトのコミュニケーションに与えるポジティブな影響を調べる予定だ。
UCC上島珈琲R&D本部の半澤拓チームマネージャーは「3年を想定しており、まず1年ほどで実際どのようなデータが取れるのか分かった上で、将来的にはコーヒーの種類なども実証対象としたい」と説明した。
同店では限定メニューの「水素焙煎 COFFEE FLIGHT」(830円)があり、ホットのみの提供で水素焙煎コーヒーと通常のコーヒーが飲み比べできる。