ニッポン豆腐屋サミットを香川で開催、品評会は「特選よせとうふ」が農林水産大臣賞
全国豆腐連合会は1~2日、「第13回ニッポン豆腐屋サミットin 香川」を高松国際ホテル(香川県高松市)で開催した。初日は分科会にて豆腐メーカーの視察や、にがりメーカーの工場見学、大豆圃場の見学などが行われた。2日目には講演のほか、「第9回全国豆腐品評会」の授賞式と出品した豆腐の試食会を実施した。最優秀賞である農林水産大臣賞には、とうふ工房ゆう(東京都)の「特選よせとうふ」が選ばれた。同社の受賞は17年、24年と続き3度目となる。試食会では、一般向けの試食会も開かれ、多くの地元の人が訪れた。
開会式の冒頭、東田和久会長のAIが讃岐弁と英語であいさつした。「豆腐はおいしいだけでなく、作り手の情熱を感じられる。ニッポン豆腐屋サミットでは、そんな良い豆腐を皆で褒め称える場であるし、作った人にも会える良い機会だ。今日出会った豆腐と人が、元気と明るい未来を届けられるように願っている」とコメントした。
来ひんあいさつは、香川県出身の衆議院議員国民民主党の玉木雄一郎代表が行った。
〈講演会で自社の事例を紹介、飲食・喫茶・菓子製造・弁当事業を豆腐屋が手掛け差別化〉
講演会は2つ行われた。久保食品(香川県綾歌郡)の久保隆則社長による「お豆腐屋永続のためのアプローチ 食の変遷(50年を振り返る)」では、50年間にわたる日本の食の変遷について触れたあと、久保食品が取り組んでいる事例を紹介した。毎月、食に関するトーク「食ラボ」を実施しているほか、豆腐作りでは消泡剤の代わりに米糠を使用していること、絹ごし豆腐と豆乳を使ったジェラートを始めとしたスイーツを販売していることなどが紹介された。
早瀬食品(岡山県津山市)の早瀬久善社長による「地域と豆腐がおりなす地域創生」では、かつて1社の下請けで全体の95%を占めた収益構造が改善され、卸売販売20%、直接販売80%に変化した自身の事例を話した。地元である津山市の人を喜ばせたいという想いで、17年に直営店を作るとともに、移動販売を開始した。直営店を持つことで出来る範囲が広がり、出来立ての豆腐を販売するほか、飲食・喫茶・菓子製造・弁当事業を手掛けた。これらの業態は豆腐屋が作ることで差別化も図りやすいという。地域活動にも重きを置き、地域資源とのコラボレーションや、地域行事・学校との連携などに注力しているとした。
「第9回全国豆腐品評会」の授賞式では、農林水産大臣賞を受賞したとうふ工房ゆうの大久保裕史代表が「農林水産大臣賞の名に恥じないように、豆腐の魅力を発信していきたい」とコメントした。
農林水産省大臣官房長賞では、充填豆腐の部は、村のおっさん(徳島県)の「こいまろ。PREMIUM」、木綿豆腐の部は、むさし屋(東京都)の「にがり木綿」、絹ごし豆腐の部はむさし屋の「にがり絹」となった。
アメリカ大豆サステナビリティアンバサダーアワードでは、三好食品工業(福岡県)の「なめらか絹とうふ」が受賞した。
今年から日本豆腐協会賞が新設され、川原(愛知県)の「充填おぼろ」が選ばれた。
そのほか、「高校生豆腐レシピコンテスト」の結果も発表された。香川県立高松南高校の細谷優愛さん(2年生)の「トーフミルフィーユカツレツ」が最優秀賞に選ばれた。
閉会式では、東田会長が閉会のあいさつを行い、「今回のサミットの開催は、実行委員たちが1つ1つ積み上げているのを見ていたため感慨深い。夢のある業界だと思う。子どもが将来なりたい職業ランキングのトップ10に、豆腐屋がなれると感じた。代替わりで活性化したことで、豆腐屋の格好よさを伝えられたと思う。なりたい職業ランキングベスト10に堂々と入ることを夢見て進みたい」と決意を語った。
〈大豆油糧日報2025年11月6日付〉







