【カネカ食品】冷凍パンお取り寄せサイト「ぱん結び」を展開、女性中心にギフトニーズとらえる【冷凍パン特集 #5】
業務用の製菓製パン原材料の卸販売を手がけるカネカ食品は、高品質な冷凍パンのお取り寄せサイト「ぱん結び」を運営している。
「ぱん結び」は、「焼き立ての味を届ける」をコンセプトに、全国のベーカリーから冷凍パンのお取り寄せができるサービスだ。注文が入ってから焼き上げ、焼きたての状態で冷凍した10個前後のパンをセットにして届けている。3~4時間の自然解凍で喫食できるほか、サイト内で紹介している方法でリベイクするとより本格的な味が楽しめる。
同社ではメーカーへの原材料の販売に加え、パンのメニュー提案やベーカリーの開業支援なども行っており、今日まで全国のベーカリーとの強固なネットワークを築いてきた。
「ぱん結び」の発足の経緯について、担当者は「『ぱん結び』は2021年10月からサービスを開始し、今年で4周年を迎える。発足の背景には、コロナ禍で客足が少なくなったという悩みや、ネット販売をやってみたいという声が全国のベーカリーから挙がっていたことがある。消費者側の遠方のベーカリーのパンが食べたいというニーズと、ベーカリー側の全国にパンを届けたいというニーズを結びたい思いから、同サービスの開始に至った」と説明する。
現在の取り扱いベーカリーは約40店舗。日本全国に営業所をもつ原材料部門のネットワークも活用しながら、地元の人気店を選定している。
担当者は「店舗数は50店舗ほどを目指しているが、選りすぐった商品のみをお届けしたいという意図もあり、それ以上は大きく増やさない方針としている。新商品の投入やリニューアルは今後も積極的に行っていきたい」と語る。
〈会員数も伸長、「母の日」などギフトニーズに応える〉
会員数は昨年末から1.2倍に伸長した。特に反響があったシーズンが「母の日ギフト」だ。イベントの特性上、男性や若年層からの購入も多く、新規顧客の拡大にもつながっている。
「ぱん結び」の主な購入者層はシニアの女性で、特にギフトとしてのニーズが大きいという。担当者は「パンという商材は、年代を問わず多くの女性から好感触なうえ、ギフトとしてはまだまだ斬新なアイデアであることや、冷凍で日持ちすることなどが評価されているのでは」と語る。

カテゴリー別ではスイーツパンの支持が根強い。担当者によれば「スイーツパンはホットドリンクと相性がいいためか、冬に需要が高まる傾向がある。冬はクリスマスやバレンタインなどイベントも多く、ペアリング提案やキャンペーン展開を積極的に進めるなど取り組みを強化している」と説明する。
年間通しての人気商品は「キューブパン10個セット」。カラフルな6cm角のキューブパンを詰め合わせたセットで、メディアでも取り上げられた商品だ。パンの中にはレモンクリームチーズや角煮などすべて異なる具材が入っており、豊富なフレーバーと見た目の華やかさが評価されている。

販売面の施策では、今年からギフト向けに帯のオプションサービスを開始した。先述した母の日の時期には、早期予約で帯のオプションが無料になるキャンペーンも開催した。キャンペーンの反響について、担当者は「早期予約してもらうことで製造の分散にもつながり、消費者側と製造者側双方にメリットがある」と話す。
また、昨年度から「ぱん結び」の会員を対象としたメンバーシップ制度も開始した。購入数に応じて特別ギフトや送料無料クーポンなどの特典がプレゼントされるもので、購入意欲の促進につなげる。
今後の販売施策として、「ぱん結び」を利用したことがないユーザー向けに、定番商品を詰め合わせた「お試しセット」の販売も検討しているという。
〈冷食日報 2025年12月22日付〉







