【USSEC】SSAPの普及目指しリアルイベント含めたCP展開、日本事務所は開設70周年

USSEC 立石副代表
USSEC 立石副代表

日本で使われている食用大豆の7割は米国産で、豆腐や納豆などの製造に使われている。その米国大豆の大半は、90年以上の歴史があるサステナブルな農法で育てられている。アメリカ大豆輸出協会(USSEC)が制定するSSAP(アメリカ大豆サステナビリティ認証プロトコル)は、そういった環境負荷を抑えた持続可能な方法で生産・管理された米国産大豆が使われていることを証明するマークだ。USSECでは、さらなるSSAP の普及を目指し、リアルイベントを含めたさまざまなキャンペーンを展開している。
26年に開設70周年を迎える日本事務所は、昨年10月から東アジア地域にとなったことで、これまでよりも地域と連携して活動していくという。昨年11月にはPNW(北太平洋岸北西部)の輸出促進ミッションを開催し、「アメリカ大豆アウトルック会議」は今後、アジア諸国と連携して実施することも検討している。立石雅子日本副代表(写真)に25年の振り返りと、26年の取り組みについて聞いた。

――25年を振り返って

いろいろと大きな変化の年だった。大豆は関税の影響があり、不透明な状態でスタートした。大豆に焦点が当たったことは想定通りだった。

関税関係、日米貿易協定、中国の輸入ストップを中心とした影響があり、米国の政治体制、政権の情勢の変化、USSECの組織体制の変化もあった。とにかく変化とチャレンジの一年だった。政府機関の閉鎖もあり、活動にも影響があった。

8月にはワシントンD.C.でUSSECの年次会議「ソイコネクスト」が開催され、日本からは日米パートナーシップ、食品・飼料メーカー、商社、現地の日系メディアなど全サプライチェーンから28人が参加した。この企業間協力イベントを通じて、サプライチェーンの連携強化を図ることを期待している。10月には、第9回「ソイオイルマイスター検定」も実施した。

――26年の取り組みは

1月はABCクッキングで喫食の機会を増やすため、SSAP 認証マークがついた豆腐バーと油揚げを使用したメニューを開発し、全国でワンデイレッスンを実施中だ。1月の1カ月間、全国100校で同時に開催する。消費者にSSAP認証の意義と、どこで購入できるかを認知してもらい、購買に繋がる機会にしたい。

USSECの日本事務所は1956年に初の海外事務所として開設し、26年は70周年を迎えるので、それに向けた取り組みを行う。企画の準備を進めており、詳細をこれから詰めていく。キャンペーンなども実施する予定だ。

〈東アジア地域に、PNW輸出促進ミッション実施、アウトルックもアジア諸国と連携〉

――RAPP(農業地域活性プログラム)プログラムの進捗は

24年からの5カ年計画が米農務省から出されており、日本においては、国内で製造された大豆製品の輸出を促進するプログラムとして予算を獲得した。現在は、主に納豆と豆腐になるが、輸出の可能性の高い国を特定し、分析している。経済や人口、消費者嗜好など多岐に分析して定量的に計算し、輸出拡大の可能性がある

国を特定する段階はすでに終了した。それらの国に輸出する際の手助けとなるような輸出ガイドブックも作成して翻訳中だ。うまくいけば1月に完成し、インドネシア、タイ、EU、中東といった国の情報を業界団体などに共有する予定だ。

今後はさらに、依頼した調査会社が現地で小売やメーカーなどさまざまなチャネルにインタビューした情報や、実際にどのような製品が販売されているかといった情報も加え、その国での輸出の可能性を広げる。

調査会社は「ソイコネクスト」にも参加していたのでブリーフィングを行ってもらったが、日本の大豆業界関係者の関心も高かった。

――SSAPの普及活動について

SSAPキャンペーンとして、24年は豆腐に焦点を当てた「to future(トーフューチャー)」を実施した。日々の食事からサステナビリティについて考えてもらうのが狙いだったが、消費者にとっては豆腐が大豆でできており、その多くが米国から来ていることと、なかなか結びつかないかもしれない。そこで25年は原点に返って大豆全体に対象を広げ、「one SOY oneEARTH(ワンソイ ワンアース)」という形で展開した。豆腐は大豆でできており、その大豆の多くは米国産でサステナブルな方法でつくられている。消費者が自分で作った料理やレシピを投稿し、他のユーザーと共有できるレシピ共有プラットフォーム「スナップディッシュ」を引き続き活用し、アンバサダーに「納豆バーガー」といった大豆を使った料理を作ってもらう取り組みも展開した。
リアルイベントとして、10月に愛知県のりんくうビーチで開催された数万人来場規模の音楽フェスで試食イベントを行った。出演するアーティストに豆腐バーなどを食べてもらい、SNSでもその様子を投稿してもらった。

大豆アニメ「ソイストーリー」や雑誌との連携企画もSSAP キャンペーンの一環として実施しているが、目的は消費者に米国大豆のことを知ってもらうことだ。

――新たな地域体制となって

今年の10月から新しく日本は東アジア地域となった。代表が上海に在住しているため時差も少なく、日本とのミーティングも頻繁に行い、これまでよりも地域と連携して活動していくことになる。11月にはPNW(北太平洋岸北西部)の輸出促進のミッションを行った。50~60人集まり、日本からも商社3社が参加した。PNWの輸出は徐々に増えている。PNWルートは、物流の多様化と供給安定性の向上に寄与している。中国に輸出される大豆の2~3割はPNW経由となり、中国が輸出をストップしていた際には価格も下がった。

今後の展望として、アメリカ大豆の新穀の品質や市況に焦点を当てた「アメリカ大豆アウトルック会議」も、アジア諸国と連携しての実施を検討し、アジア市場全体での需要創出と安定供給を目指す予定だ。現状、手探りの部分もあるが、業界関係者にはその実現に向けてのご協力をお願いしたい。

〈大豆油糧日報 2026年1月19日付〉

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