緑茶輸出、2025年は前年比約2倍の720億円規模に、農林水産物・食品輸出は1.7兆円で過去最高

緑茶の輸出が拡大している(写真はイメージ)
緑茶の輸出が拡大している(写真はイメージ)

農林水産省は2月3日、「2025年の農林水産物・食品の輸出実績」を発表した。それによると、農林水産物・食品の輸出額は前年比12.8%増の1兆7,005億円となり、13年連続で過去最高を更新している。主要輸出先国・地域のすべてで前年を上回り、米国向けは2,762億円(同13.7%増)と最大市場を維持した。

品目別では、緑茶の輸出額が約720億円と前年から98.2%増となり、6年連続で過去最高を更新した。単価の向上と輸出量の増加が寄与している。欧米・ASEAN向けなどが健康志向や日本食への関心の高まりを背景に、ラテやスイーツなど食品原料となる抹茶を含む粉末茶の需要拡大が伸長をけん引した。

なお、日本からの輸出量のトップはアメリカで、全体の3割の数量を占めている。

付加価値面では、日本産抹茶の高単価化が進展している。米国向けでは重量当たりの単価が中国産緑茶の約5倍とされ、高価格帯市場での評価が定着している。高級レストランや専門店での有償提供の拡大、「Uji/Kyoto(宇治/京都)」ブランドの浸透などが単価上昇を後押ししている。

JFOODO(日本食品海外プロモーションセンター)では、日本産食品の価値向上、輸出拡大を目指したプロモーションに取り組む中で、緑茶の価値向上にも注力し、アメリカでのイベントやワークショップを行い、抹茶のブランディング活動を進めてきたという。

一方、輸出拡大に伴う国内供給の持続性を指摘する声もある。緑茶市場をけん引する伊藤園は、日本茶の海外需要の高まりを歓迎しつつ、茶農家の高齢化や後継者不足により生産量の大幅な増加を見込みにくい現状を挙げる。新たに茶園を造成しても、茶の木が収量を得るまで最低5~6年を要するため、短期的な供給拡大は容易ではないとする。

茶葉
茶葉

また、日本茶の輸出量が増える一方で海外産緑茶の輸入量も増加しているとする。これについて、「長期的には国内での供給不足、または高価格化を招き、日本人にとって日本茶がこれまでのような身近な飲み物でなくなってしまう懸念があります」と指摘する。

伊藤園は、日本文化の核の一つである日本茶の未来を見据え、茶農家と連携しながら生産から製造・流通まで一貫した体制で価値を守り育てる取り組みを中長期的に推進し、日本茶全体の持続可能な発展に貢献したいとしている。

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