ポッカサッポロ、レモン事業の主力ブランドが過去最高 市場拡大追い風に109%計画、初のドレッシング参入も
ポッカサッポロフード&ビバレッジのレモン事業が転換点を迎えている。2025年度のレモン飲料・レモン食品計は前年比106%(販売金額ベース)で過去最高を更新。2026年度は同109%を計画する。日本のレモン加工品市場も直近5年で117%(インテージSRI+、2024年と2020年の対比、出典:食品産業新聞社)と拡大しており、カテゴリー全体の伸長が追い風となっている。
室晃司担当部長は2月17日の説明会で「レモンを売る会社から、レモンの力を通じて社会とつながり、ウェルビーイングに貢献する身近なパートナーになることを目指す」と語った。飲料の「キレートレモン」と食品の「ポッカレモン100」を軸とし、人々の暮らしの中でレモンの接点を広げる戦略を打ち出した。
◆猛暑・健康志向でレモン市場が拡大
背景にあるのは市場構造の変化だ。猛暑の常態化やストレス社会を背景に、「甘くない」「さっぱり」「健康感」といった要素を持つ柑橘フレーバーへの支持が広がる。レモンはビタミンCやクエン酸を含む素材として認知される一方、甘くない爽快な風味が近年の消費者志向と合致している。レモン加工食品市場は拡大基調にあり、同社もその流れを追い風と捉えている。
◆「キレートレモン」200億円規模に、25周年で“レモンまるごと”の価値訴求

飲料の「キレートレモン」は発売25周年を迎え、2025年度は約200億円規模で過去最高売上を達成した。「キレートレモン」(オリジナル瓶)に加え、「クエン酸2700」、「MUKUMI(ムクミ)」をラインアップすることで、それぞれのユーザーから支持されたことが大きい。
「キレートレモン」ブランドは、従来の“疲れてから飲む”栄養ドリンク型需要とは異なり、日常的にコンディションを整える事前準備として飲まれる傾向にあるという。こうした背景のもと、近年1000億円規模目前まで拡大するパウチゼリー市場において、「キレートレモン」のゼリー商品は前年比131%と高伸長した。
そこで、3月16日発売の「キレートレモン レモンチャージゼリー」は、レモン1個分の果汁に加え、果皮や果肉をすりつぶしたレモンペーストを配合。酸味だけでなく香りやほろ苦さまで含めた“まるごとの味わい”を打ち出す。ビタミンCとクエン酸1350mgを含む。
また、「キレートレモン」(オリジナル瓶)では、25周年を機に果皮エキスを国産素材にする。本来は捨てられてしまうレモン果皮を用いたアップサイクルの素材を活用し、サステナブル価値の強化につなげる。
◆「ポッカレモン100」は約80億円、機能性表示食品が寄与
「ポッカレモン100」は2024年9月に機能性表示食品へ刷新した瓶3品(120ml、300ml450ml)が牽引し、2025年度売上は前年比117%の約80億円で過去最高を更新した。
同商品の血圧低下機能の認知率は16.3%であり、機能認知層の購入率は高い傾向にあるため、2026年上期にはテレビCMを展開し、認知拡大を図る。
◆初のドレッシング参入、食卓での接点拡大

今回の戦略で新たな柱の1つが、同社初となるドレッシング市場への参入だ。新ブランド「ポッカレモン食彩」を立ち上げ、「レモンとオリーブオイル」「クリーミーレモネーズ」の2品を3月2日に発売する。
食卓でのレモン味の接点拡大を目指した商品であり、これまでの「ポッカレモン100」の調味料としてやドリンクでの使用にとどまらず、「ポッカレモン」のサブブランドにおいてもサラダと一緒に使用する用途でさらなる拡がりを目指す。
◆国内レモン栽培を強化、原料面でも本気
同社は2019年から広島県大崎上島町でレモンの植栽を開始し、2024年には静岡県磐田市と連携してレモン産地形成を支援、さらに、2025年には国産レモンの生産法人「LEMONITY」を設立した。
果汁中心から“レモンまるごと”へ価値領域を拡張していく考えだ。国産レモンの確保と活用を進めることで、原料面からもブランド価値を高めるとともに、産地振興・耕作放棄地の活用といった社会的価値の両立を図っている。
◆市場拡大を背景にレモンで109%計画

同社は2026年度、レモン飲料・食品計で前年比109%(販売金額ベース)を掲げる。飲料と食品を横断し、原料面でも強化を進める。2025年の過去最高更新は通過点とし、レモンを事業の中核に据える姿勢を鮮明に出している。







