伊藤園、緑茶原料高騰を受け構造改革加速 茶産地連携を強化、海外「お~いお茶」拡大へ

「お~いお茶」は純国産茶葉100%を訴求
「お~いお茶」は純国産茶葉100%を訴求

伊藤園は、緑茶原料価格の高騰を受け、国内事業の構造改革と茶産地との連携強化を進める。2026年4月期連結決算は、売上高が前年比5.3%増の4978億7700万円となり、2期連続で過去最高を更新した。一方、営業利益は5.6%減の216億8400万円、当期純利益は75.5%減の34億6600万円だった。

単体決算は、売上高が1.9%増の3413億1000万円、営業利益が16.6%減の124億3200万円。国内では緑茶飲料に加え、「健康ミネラルむぎ茶」などのノンカフェイン茶系飲料、タリーズブランドが売上を支えた。若年層向けに展開する「お~いお茶 PURE GREEN」「同 LEMON GREEN」も初年度で500万ケースを販売し、新たな需要開拓に手応えを示した。一方、連結営業利益の増減要因では、原料・資材等が97億円のマイナス要因となり、このうち半分ほどを緑茶飲料原料の高騰が占めた。

本庄大介社長は6月2日の決算説明会で、世界的な抹茶需要の拡大を背景に、茶農家が抹茶向けに転換する動きが広がり、飲料用原料にも影響が及んだと説明した。一方で、緑茶原料の高騰については「チャンスだと思っている」と述べ、大手飲料メーカーが緑茶飲料を展開する中で、祖業がお茶屋である伊藤園の強みを改めて発信する機会と位置付けた。

茶産地との関係も一段と深める。伊藤園はこれまでも茶産地育成事業を進めてきたが、今後はより踏み込んだ形で農家との長期的な関係づくりを進める方針だ。鹿児島、静岡をはじめ、埼玉、三重、京都、九州各地などの産地を回り、安定調達と品質確保につなげる。国内で販売する「お~いお茶」は、国産茶葉へのこだわりもさらに訴求していく。

国内事業では、サプライチェーン全体の見直しを進める。自販機事業では、1月に発表した事業再編により、伊藤園ネオスに機能を集約し、事業の効率化と新たな販売機会の創出を図る。本庄社長は、これまで製造委託先や物流会社に頼る部分が大きかったとしたうえで、製造・物流面の知見を社内に蓄積し、コスト構造を見直す考えを示した。従来は商品設計を行い、委託工場に製造を依頼して販売するモデルだったが、今後は製造や物流にもより深く関与し、商品づくりとコスト構造の見直しを進める。

2026年4月期の海外グループは、売上高が26.6%増の743億6900万円、営業利益が40.6%増の42億2900万円と大きく伸長した。「お~いお茶」の海外展開も進み、2026年4月期の52カ国・地域から、2029年4月期に60カ国・地域、2041年4月期に100カ国・地域へ広げる長期目標を掲げる。

伊藤園は2027年4月期の連結業績について、売上高5000億円、営業利益200億円を計画する。原料・資材高の影響は続く見通しだが、国内では収益構造改革、海外では「お~いお茶」のグローバル化を進める。祖業であるお茶を軸に、長期ビジョンに掲げる「世界のティーカンパニー」への歩みを加速する考えだ。

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発行:
昭和26年(1951年)3月1日
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