野菜飲料に“推し活”を導入、伊藤園×サンリオ、30種シールで新たな顧客層にアプローチ
「ポムポムプリン」「シナモロール」「クロミ」の3キャラクターを起用
伊藤園は、野菜飲料「1日分の野菜」ブランドでサンリオキャラクターとコラボレーションしたキャンペーンを11月17日から全国で開始する。「ポムポムプリン」「シナモロール」「クロミ」の3キャラクターを起用し、全30種類の限定デザインシールを付けたパッケージを展開する。野菜飲料の“まじめ”なイメージを和らげ、若年層が手に取りやすいきっかけを生む狙いだ。

対象商品は「1日分の野菜」「1日分の野菜 濃厚トマトMix」(各200ml紙パック)。シールは1キャラクターにつき10種類(うち1種類はレア)を用意し、商品に使用されている30種類の野菜と連動したデザインとした。SNSでの拡散力を踏まえ、くり抜き型の「貼って遊べる」仕様にした。
野菜飲料市場は、長らく安定成長してきたカテゴリーだが、ここ数年は若年層の飲用率が低下しているという。伊藤園の担当者は「野菜飲料は健康価値が高い一方、効果が分かりにくい“曖昧さ”もあって、単一成分を訴求する商品に比べて選ばれにくくなっている」とし、市場として危機感を持っていると語る。特に10~20代では“飲まない層”が多く、「いかに最初の一口につなげるか」が大きな課題になっていた。

今回の企画は、Z世代に浸透する“推し活”の文化を採り入れ、コレクション性やSNS投稿を促す設計とした。サンリオは50周年を迎え、親世代にもファンが多いことから、若年層に加えて“親子需要”の広がりも期待する。担当者は「まずは手に取ってもらうきっかけづくりが最大の目的。サンプリングをすると、若い方々からも“飲んでみたらおいしかった”という反応が多く、入口のハードルを下げたい」と話す。
さらに、一部流通では限定カートンの展開も予定されており、デジタル特典(3D壁紙)などの企画も進んでいるという。キャラクターに強い親和性を持つ層に向け、購入体験を広げる仕掛けを重ねる。
「1日分の野菜」ブランドは厚生労働省が推奨する「1日350g分の野菜」を使用した野菜汁100%飲料として2004年に発売。野菜飲料は、近年はトマト飲料を中心に飲用層が拡大しているが、今回の取り組みを通じて野菜飲料と若年層の新たな接点を生み、市場全体の活性化につなげる考えだ。







