ローソン 大ヒット商品「バスチー」販売終了、「濃厚生チーズケーキ」「濃密カヌレ」新発売の狙いとは

ローソン「濃厚生チーズケーキ」
ローソン「濃厚生チーズケーキ」

ローソンは、「バスク風チーズケーキ」ブームをけん引した大ヒット商品「バスチー」(2019年3月発売)の販売を終了し、9月26日から新たなチーズケーキ「濃厚生チーズケーキ」(248円、以下税込)を発売する。

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また、専門店などで近年人気が高まっている仏ボルドー地方の伝統菓子「カヌレ」を商品化して、9月27日から「濃密カヌレ」(160円)として発売する。本格的なカヌレを身近なコンビニで、手頃な価格で購入できるようにすることで、「カヌレ」ブームの拡大を目指す。いずれも全国約1万4000店(ローソンストア100を除く)で発売する。

ローソン「濃密カヌレ」
ローソン「濃密カヌレ」

チーズケーキは日本人に特に人気のあるケーキで、定番として「ベイクド」「レア」の2種類がある。「バスク風チーズケーキ」はフランスとスペインにまたがるバスク地方で食べられているチーズケーキ。外が香ばしく、中はやわらかく、ベイクドでもレアでもない新感覚のチーズケーキとしてブームが起きた。

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販売終了するローソン「バスチー」(パッケージや価格表記は初登場時のもの)
販売終了するローソン「バスチー」(パッケージや価格表記は初登場時のもの)

今回3年半ぶりにチーズケーキを見直すことにしたのは、「この間にチーズケーキのトレンドが変化したため。現在人気があるチーズケーキの特徴は『濃厚な味わい』『とろける食感』『後味の良さ』。(新商品『濃厚生チーズケーキ』は)濃厚でとろける食感のチーズケーキを目指した」(東條仁美ローソン商品本部ベーカリー・デザート部シニアマーチャンダイザー)。小麦粉を使わず、デンマーク産とオーストラリア産2種類のクリームチーズを使って濃厚さを出し、低温でじっくり湯煎焼きすることで、「絹ごし豆腐のようなやわらかさを出した」(東條シニアマーチャンダイザー)。また、レモンの代わりに3種類の柑橘(ライム・いよかん・日向夏)を使うことで、苦みの無い、すっきりした甘さと酸味を実現した。バスチーに替わる定番チーズケーキとして、半年で800万食の販売を目指す。

「濃厚生チーズケーキ」を手に ローソン・東條シニアマーチャンダイザー
「濃厚生チーズケーキ」を手に ローソン・東條シニアマーチャンダイザー

カヌレは溝が付いた型に小麦粉・卵・牛乳・砂糖・バター・ラム酒等を配合した原料を入れ、高温でじっくり焼き上げる菓子。外はカリッ、中はもちっとした独特の食感が特徴。日本では1995年頃に洋菓子店やベーカリーで、王道タイプのカヌレによる第1次ブームが起き、その後2012年頃、ホテルのティーメニューなどでバリエーション豊かなカヌレによる第2次ブームが起きた。そしてコロナ禍の2020年に第3次ブームとして日本各地で専門店が増え、半熟風など新たなバリエーションのカヌレも登場している。

ローソンでは2019年冬から、バスチーに続く看板スイーツの開発のため、フランスの洋菓子店をリサーチしてカヌレに出会い、構想3年で「濃密カヌレ」の商品化に結び付けた。バリエーションを広げると大量生産ができないため、王道のカヌレ1種に絞り、全国の工場にカヌレ型を導入した。「生クリームなどのトッピングは無く、生地のみのかなりシンプルな仕立てにして、160円という価格を実現した」(白鳥瑞穂ローソン商品本部ベーカリー・デザート部マーチャンダイザー)。新たな定番としての定着を目指し、半年で1000万個の販売を目指す。

「濃密カヌレ」を手に ローソン・白鳥マーチャンダイザー
「濃密カヌレ」を手に ローソン・白鳥マーチャンダイザー
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食品産業新聞

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創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
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