無印良品 パスタをカレーに次ぐ柱に、本場・イタリアで食べられているメニューを商品化

「いわしとフェンネル」は南イタリア・シチリアの代表的なパスタ。日本で馴染みのないメニューも積極的に投入していく。
「いわしとフェンネル」は南イタリア・シチリアの代表的なパスタ。日本で馴染みのないメニューも積極的に投入していく。

〈ショートパスタの定着で市場創造〉

生活雑貨店「無印良品」を展開する良品計画(東京都豊島区)は、「レトルトカレー」に次ぐ食品の柱として、「パスタ」「パスタソース」を拡充していく。パスタの本場・イタリアに赴いて学び、現地で実際に食べられているメニューを商品化していく。日本ではなかなか根付かないが、欧州では圧倒的にシェアが高いショートパスタの日本での定着を目指し、新たな市場創造を目指す。

まず9月6日から、ショートパスタ3品(ペンネ・リガーテ、リガトーニ、チェレンタ―ニ、各200g・各税込み250円)を新規に発売する。また、ロングパスタ・スパゲッティ(500g・350円)、ショートパスタ・フジッリ(200g・250円)をリニューアルする。パスタは国産のデュアル小麦を使い、磨き切らない小麦本来のうまみを残した製粉方法で、現地の味を再現した。

パスタソース(レトルト)は、日本では馴染みのない「ピスタチオクリーム」(1人前・130g・550円)、「いわしとフェンネル」(1人前・150g・420円)を新規に発売する。「ポルチーニクリーム」(同)と「ポモドーロ」(1人前・150g・350円)は、より現地に近い味で新規投入する。

リニューアル品「カルボナーラ」(1人前・130g・390円、2人前・260g・590円)は、生クリームは使わず、卵黄とチーズで仕上げる現地の調理法を取り入れた。同じくリニューアル品「ボロネーゼ」(1人前・150g・390円、2人前・300g・590円)は、肉感が出るよう粗挽きしたひき肉に、甘みと香ばしさを出すためにタマネギはローストとソテーの2種類の調理法を取り入れた。リニューアル品「紅ずわい蟹のトマトクリームソース」(1人前・130g・390円)は、紅ずわい蟹のうまみを生かし、完熟トマトと生クリームを加え、なめらかで濃厚な味に仕上げた。

11月にはパスタソース「トリュフクリーム」「牛肉のラグー」「クアトロフォルマッジ」を発売するほか、12月には、より手軽にショートパスタが食べられる冷凍食品「リガトーニ ピスタチオのクリームソース」「コンキリエ 帆立とアンチョビのソース」「ニョッキ かぼちゃのクリームソース」を発売する。

9月5日に「無印良品 銀座」(東京都中央区)で行われた発表会で、食品部管掌の高橋広隆上席執行役員は、「冷凍食品は大量生産ではなく、ひと鍋ひと鍋作ってくれるメーカーと組み、GMS(総合スーパー)やCVS(コンビニエンス)では展開できないようなものを出していく」と語った。

高橋上席執行役員は元セブン‐イレブン・ジャパン商品本部長で、約1年半前に良品計画に入社した。「無印良品の商品開発は独特。他社のPB(プライベートブランド)商品は、顕在化したマーケットからコピー&ペーストしたもの。無印良品は本物とは何かを追求して、現地の生活から学んで開発している。その代表がカレー。60品目もあるのは外から見たら少し異常に見えるが、大真面目に伝えたいという思いがある。世界各地のカレーが1カ所で揃うのはすごいこと」と話した。

無印良品の60品目のカレーの多くは他社にはないメニュー。これらによりレトルトカレーの市場を広げ、現在は日本のレトルトカレー市場の約1割のシェアを持つ。「パスタもカレーと同じようなポジショニングを目指す。日本ではパスタは軽食の域を出ないが、現地に学んだ本物を提供することで、夕食メニューにしていく」(高橋上席執行役員)という。

高橋上席執行役員
高橋上席執行役員

一般的な食品スーパーでは、パスタは乾麺コーナー、ソースはレトルトコーナーに並ぶが、無印良品では1カ所に並べて訴求していく。オリーブオイルやトマト缶などの関連商品、生ハムやチーズ、ワインなど夕食シーンとしての関連商品も、一カ所に集めて売場づくりをしていく。「無印良品」は現在、標準売場面積を従来の約300坪から600坪への大型化を進めており、「その中で生活の基本となる食品の品揃えと売場の拡大も進めている」(鈴木美智子食品部商品開発担当部長)という。

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創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
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