さとふる、ふるさと納税お礼品トレンド発表/「生活防衛型」「プチ贅沢」が人気、寄付のみも増加
ふるさと納税サイトの「さとふる」は、ふるさと納税ポータルサイトに掲載しているふるさと納税お礼品情報をもとに、2025年10月までにみられたお礼品のトレンド情報を発表した。
11月4日、都内会議室でメディア向けの取材会が開かれ、担当者が傾向について説明した。
〈物価高の影響で生活防衛型お礼品が人気、「プチ贅沢」のご褒美需要も拡大〉
2025年は物価高や猛暑といった要因に加え、ふるさと納税制度の改正も相まって、寄付者の行動やお礼品の人気にも変化がみられた。
同サイトには100万点以上の多様なお礼品が掲載されており、これまでも社会情勢が寄付傾向に反映されてきた。今年の特徴的な傾向としては、生活防衛型お礼品の人気が続く一方、“ご褒美需要”も拡大した。
「2025年ふるさと納税お礼品人気ランキング(速報版)」では、上半期に引き続き、日用品や訳ありなどの生活防衛型お礼品が上位にランクインした。一方で、1位をはじめ上位には「牛タン」や「うなぎ」など、“プチ贅沢”なお礼品も複数ランクインしており、節約志向のなかでも“ご褒美需要”が広がっていることがわかる。ランキング上位3位は次のとおり。
1位 「【さとふる限定】宮古の厚切り塩だれ牛タン1.4kg【タン先あり】」(岩手県宮古市・寄付金額11,500円)

2位 「【2026年発送先行受付】シャインマスカット2房(約1kg)」(山梨県山梨市・寄付金額13,000円)
3位 「北海道オホーツク海産ホタテ玉冷バラエティサイズ(1kg)| 訳ありサイズ不揃い」(北海道紋別市・寄付金額24,000円)

〈カニ、美容・健康、米も人気〉
また、ランキング外の寄付動向においても“プチ贅沢”の傾向がみられ、今年1月~10月の「カニ」の寄付件数は前年同期比で約1.4倍、「美容・健康家電」は4.3倍以上に増加。特に、「カニ」カテゴリのうち「かにしゃぶ」においては、今年9月の寄付件数が前年同月比で約5.5倍に拡大した。

1月~10月の「検索キーワード」ランキングでは「米」が1位となり、TOP20のうち「米」に関連するキーワードが5件ランクインした。寄付者の米不足への危機感はやや落ち着いたものの、引き続き高い関心が寄せられていることがうかがえる。実際に、ポイント付与禁止前の9月に駆け込み寄付が増えたなかでも人気は衰えず、9月の寄付件数は前年同月比で2倍以上に伸びた。
特に、「ブランド米」の寄付件数は前年同月比3.7倍以上、「新米」は約3倍とそれぞれ大きく増加し、「ブランド米」や「新米」の人気が上昇している。米の価格高騰や不作による品薄を背景に、品質の高いものや信頼できる産地の味を確保したいという意識が高まっていると考えられる。「【先行予約】皇室献上米 令和7年産 北海道産「ゆめぴりか」5kg精米」(北海道長沼町・寄付金額17,000円)は、今年は前年同期比で約3倍、2年前と比較して約8倍に増加したという。

手ごろな冷凍食品なども根強い人気で、「三富屋のポテトコロッケ10個&メンチカツ10個 計20個約1.5kg」(神奈川県横須賀市・寄付金額5,000円)などが挙げられる。
厳しい暑さが続き、猛暑の影響がふるさと納税の寄付動向やお礼品選びにも表れた。なかでも、8月の「そうめん」カテゴリの寄付件数は前年同月比で約1.3倍に増加した。
お礼品提供事業者向けに実施したアンケートでは、27.3%が「猛暑の影響を受けた」と回答した。影響を受けた事業者のうち、87.2%が「価格の変更」や「提供量・生産量・販売量の見直し」など、何らかの対策を行っており、猛暑がお礼品提供事業者の事業運営やお礼品の提供に広く影響を与えていることが明らかになった。
一方で、いちじくなどの果物では、猛暑の影響で糖度が高まり“今年ならではの甘さ”が楽しめる例もみられる。気候の変化が課題をもたらす一方で、旬の味覚をより引き立てる好影響も生まれている。
〈お礼品なしの寄付のみも増加傾向〉
また、お礼品を伴わない「寄付のみのお礼品」も増加しており、寄付額100万円以上のものへの寄付申込みも複数みられた。「寄付のみのお礼品」は、お礼品を受け取らず寄付のみを行うことができるもので、近年、掲載数・寄付件数はいずれも増加傾向にあり、今年10月22日時点の掲載数は2022年同日比で3.2倍以上、9月の寄付件数は29倍に増加した。「寄付のみのお礼品」は、寄付者が共感する使い道に対して少額から寄付できる一方で、自治体にとっては多くの人が閲覧するページ上で寄付金の使い道や注力事業をPRできるという利点がある。お礼品に注目が集まりやすい同サイトの中で、お礼品なしでの支援の輪が広がっている。
〈都内寄付件数は体験型中心に増加〉
東京都内の動向としては、お礼品掲載数の拡充が寄付を後押し、寄付件数は2倍となった。そのうち、約7割が「PayPay商品券」(約4割)や「体験チケット」(約3割)で、いずれも都内で利用できる体験型のお礼品だった。「体験チケット」は、レストランや宿泊施設で使える「食事券」「宿泊券」などで、都内の有名ホテル、老舗スイーツ店で利用できるケースが多く、首都圏居住者を中心に「手軽に・近場で・特別感を楽しむ」ニーズの高まりがみられた。
また、「ベイブレードエックス」と葛飾区のコラボなど、ユニークな返礼品もみられた。








