【デイリーヤマザキ】「ヤマザキらしい」商品づくりを継続、競争力ある商品がけん引【2025年コンビニ動向 #5】
デイリーヤマザキは、唯一のメーカー系コンビニとして「山崎製パン」のパンや和洋菓子、「サンデリカ」の米飯類、「サーティワン」のアイスクリームなど、グループ力を活かした商品展開を進めている。その構成比を高めることで「ヤマザキらしさ」を強調した売場作りに取り組み、コンビニ業界の中でも独自の存在感を放っている。
2025年度上期(1~6月)の既存店売上高は前年比3.1%増と堅調だった。半数以上の店舗で導入している店内調理の「デイリーホット」だけでなく、パンや米飯、調理麺等グループの商品が支持を得られており、それが堅調に繋がっているという。
また、物価上昇による節約志向などの背景に対し、市場ニーズを捉え「価格の2極化・3極化」に対応する商品展開も功を奏した。
今期も重点方針として「ヤマザキらしい店作り」を引き続き進め、メーカー系コンビニの良さを発揮した独自の路線をおし進めていく。
その核となるのが焼き立てパンの「デイリーホットベーカリー」、作りたておにぎり、弁当などの「デイリーホットキッチン」からなる「デイリーホット」商品で、導入店舗ではそれらを中心に据えた売場作りを進めている。
店内調理「デイリーホットベーカリー」シリーズでは、「ダブルソフト」は11月リニューアルし、生地のソフト感、歯切れのよさ、トースト時のさっくり感などの品質が向上した。
定番調理パン「味わいタマゴサンド」は、今年1月「ダブルソフト」の新規技術により品質向上した同社の「ロイヤルブレッド」を使用する耳つきのサンドイッチで、今年4月、メディアにも取り上げられたことで大きな反響が得られ、引き続き好調に繋がっている。

また商品力強化として、2021年以降、山崎製パン本体の小売事業本部の中に設置した戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携し、トレンドをとり入れた話題性のある商品を戦略製品として多数投入して次の看板商品を目指す。
10月にはデニッシュ上にさつま芋をトッピングしてカリカリのキャラメリゼに仕上げた季節感ある「さつまいものクイニーアマン」を発売。
11月には「ミルフィーユブレッド」を発売。カルピス(株)バターを練り込んだデニッシュ生地に、マーガリンを折り込み、ミルフィーユのように焼き上げる。めくりながら楽しめる商品となっている。
また、戦略商品以外にも10月に発売した「BIGリングドーナツ」は、ふんわりした生地で充分な食べ応えがある商品として好評。ボジョレー・ヌーボー解禁などある11月には食事パン「とろーりチーズの白いパン(トマトミート使用)」などの商品を発売している。
自社業態専用商品「ヤマザキベストセレクション」では、「大肉饅」が好評で、通常の肉まんの1.7倍の重量で食べ応えを訴求する。物価高で節約志向も根強いが、その中で価格に合った付加価値のある商品が支持されている。
定期的なキャンペーンでは、ボリュームあるオリジナル商品を対象とした販促を実施。同キャンペーンは楽天ポイントがお得に付与される取り組みも実施し、女性客の取り込みも図りたい狙いだ。
今期も重点方針として、メーカー系コンビニの強みを発揮した独自の路線を進めていく。店舗運営は、接客や製品管理など徹底し、精度の高い品揃えに取り組み、サービスの充実を図る。







