第46回 食品産業技術功労賞表彰式 独自技術を駆使した商品が受賞

食品産業新聞社が主催する第46回食品産業技術功労賞の表彰式が、受賞32社の代表及び審査委員ら約180人が参加して11月9日午前11時から、東京・上野精養軒で行われた。表彰式では、弊社牧田邦雄社長が受賞各社代表に表彰盾を授与、村上秀徳選考委員長が講評を兼ねあいさつした。受賞者を代表してプリマハムの松井鉄也社長が謝辞を述べた。引き続き、記念祝賀パーティーが行われた。来賓の農林水産省食料産業局審議官の丸山雅章氏が祝辞を述べた。日東ベストの大沼一彦社長が乾杯の発声をし、歓談が行われた。会場内には受賞商品などのディスプレーや試食も行われた。

今回は6部門の32件が受賞、部門別内訳は商品・技術部門14件、資材・機器・システム部門4件、マーケティング部門8件、国際部門4件、地方発部門1件、特別賞1件。

受賞した商品をみると、独自技術を駆使した新商品がヒットし、受賞につながったケースが目立った。また乳酸菌など微生物関連技術の受賞も多かった。マーケティング部門では新たな需要拡大策を成功させた商品が目立った。国際部門は輸出貢献が2件、日本酒の国際普及が1件と3件が日本産食品の輸出や国際普及関連となった。資材・機器・システム部門では高級酒対応の2件が選ばれた。

商品・技術部門では、独自技術を駆使した新商品が目立つ。ファインフルーティー技術の「まるごと果実」、もち入り冷凍法の「やわもちアイス」、揚げ物の吸油量を減少させた「日清ヘルシーオフ」、スーパープロント製法をさらに進化させた「太麺の早ゆで技術」、経時変化に強い業務用から揚げ粉「これでいい粉」などは独自の技術で付加価値を創造し、新たな需要を開拓した。ヨーグルトの2品は独自の乳酸菌を利用した機能性タイプのヒット商品。「純米酒醴」「プラス糀」「乳酸菌ショコラ」も微生物と新技術を合わせてヒット商品につなげた。「もぎたて」「ザ・チャーハン」「レーズンゴールド」はカテゴリーを代表する今年のヒット商品だ。国産希少素材の無糖茶も好調な無糖茶市場の一翼を担っている。

資材・機器・システム部門では、「バッチ式パストライザー」「吟醸蔵商品群」とも需要を伸ばしている吟醸酒など高級酒の醸造に対応した機械類だ。「洗浄ブラシ」は金属粉末を含有しており、万一、抜け毛が混入しても金属探知機ではねることができる。アレルギー対応「ミール」の専用工場も評価された。

マーケティング部門では新たな需要拡大策を成功させたロングセラー商品が目立つ。「ゴールデンカレー」は50周年を記念したイベントを展開。「アンティエ」は複数フレーバーで幅広い年代を取り入れた。「ネオバターロール」は変わらない人気のロングセラー商品。「47都道府県の一番搾り」と「カップヌードルリッチ」は斬新なマーケティングが注目された。フタピタ機能の「サラダにちょうどいいね」は新機能とマーケティングを結びつけた。「10分ごはん」は若年層への炊飯訴求、「シュガーミート」は部位の無駄をなくす畜肉の販売システムが評価された。

国際部門では、プロセスチーズをアジアに輸出しているマリンフード、輸出ブランド「WAGYU sAMURAI」を構築し輸出を拡大しているミートコンパニオングループの2件は、国の日本産農産物輸出拡大施策もあって高く評価された。アンカーマンは外国メディアの日本酒蔵見学ツアーの開催など国際普及への貢献が認められた。ABBはスイス産のピッキングロボットを国産のプログラミングと導入シュミレーションソフトで食品工場のロボット化に貢献した。

地方発の「ぜいたく茶そば」は地方メーカーらしい丁寧な製造と小さいカテゴリーながらトップ商品という点が評価された。

ハウス食品は50年にわたるクリームシチューメニューの創造と普及により特別賞を受賞した。