ファストフード各社、軽減税率への対応分かれる KFC・松屋は“税込同一”、モス・スタバ・吉野家は“本体同一”の価格設定

モスバーガーは“本体同一”、KFCは“税込同一”
〈マクドナルド・すき家は「検討中」〉
軽減税率制度の10月スタートに向け、いよいよ残り2カ月となる中、ファストフード各社の対応方針がまとまりつつある。「モスバーガー」は本体価格を据え置き、店内飲食は10%、テイクアウトは8%の消費税を加えた異なる税込価格で販売する方針を発表。一方、「ケンタッキーフライドチキン」(KFC)は店内飲食とテイクアウトの“税込価格”を同額とする方針。最大手の「マクドナルド」に注目が集まるが、同社は7月25日現在も検討している段階だという。

「消費者にとって分かり易いのは、実際の支払額を店内飲食とテイクアウトで統一した“税込同一価格”。これまで、(店内飲食とテイクアウトで支払額が異なる)“本体同一価格”とする方針を固めた企業が吉野家、スタバ、モスバーガーと続いたが、ケンタッキーが“税込同一”としたことで、“税込同一”を採用するファストフードが増えると見ている。消費者、従業員双方に取って分かり易い“税込同一”は、軽減税率を巡るトラブルも少ないはずだ」。こう語ったのは、非上場の外食チェーン幹部。

牛丼チェーンの中でも、軽減税率への対応方針は分かれる。

“本体同一価格”の吉野家に対し、「松屋」はテイクアウトの本体価格を引き上げ、“税込同一価格”とする。理由として、異なる税込価格を採用した場合に券売機での対応が難しいことを挙げている。

洋風ファストフードでは、「モスバーガー」と「ケンタッキー」が異なる対応方針を採る。

モスフードサービスは7月18日、商品の本体価格は変えずに、店内飲食の税率は10%、テイクアウトの税率は8%とする方針を発表。軽減税率導入後は、支払額が低いテイクアウトの需要が増えると見ており、ハンバーガー商品のバンズ(パン)をリニューアルし、ふっくらとした食感が長持ちするようにしたことも発表した。

一方、日本ケンタッキー・フライド・チキンは7月19日、“税込同一価格”とすることを発表。店内飲食・テイクアウトともに、10月以降も「オリジナルチキン」1ピースの現行価格・税込250円を維持するため、店内飲食は本体価格を値下げする。

「マクドナルド」の発表はまだ。牛丼チェーン最大手の「すき家」も、「いまも検討している」段階だという。

「当社でも“税込同一価格”とするか、“本体同一価格”とするか、いまも検討している段階だ。マクドナルドや、すき家を運営するゼンショーの方針発表を待つ企業も多い」(前述の外食チェーン幹部)。10月ギリギリまで発表を控えるという企業も多く、ファストフード各社で対応方針が分かれるもようだ。