マクドナルド「フィレオフィッシュ」25年ぶり刷新で魚の新鮮さを向上、水やCO2の排出削減も

マクドナルド「フィレオフィッシュ」
日本マクドナルドは10月28日、1971年の創業時からの人気メニュー「フィレオフィッシュ」(税込340円)を、25年ぶりにリニューアルすると発表した。

すでに2019年10月から、全国のマクドナルド店舗で順次切り替えを進めており、10月31日までに全店舗で新しい「フィレオフィッシュ」を楽しめるようになる。

「フィレオフィッシュ」は1965年にアメリカで誕生し、日本では1971年の創業時から、ほぼ半世紀にわたってレギュラー販売し続けているロングセラー商品で、外はサクサク、中はしっとりふっくらな白身魚の“フィッシュポーション”にチーズとタルタルソースを合わせ、ふわふわのバンズでサンドしたハンバーガー。

今回はメイン食材の「フィッシュポーション」を大きくリニューアルしている。原材料のスケソウダラについて、従来の工程は、
〈1〉アラスカのベーリング海で獲れた「スケソウダラ」を漁獲後、魚のまま冷凍してタイに輸送
〈2〉タイの加工工場で魚を解凍し、骨や皮などを除去したあと、切り身を型枠に並べてブロック状に成型して再び冷凍
〈3〉冷凍されたフィッシュブロックを、フィッシュポーションの形状(四角)にカットし、衣とパン粉をつける
〈4〉袋詰めして日本へ出荷
――というものだったが、

このうち〈1〉〈2〉の部分を、「アラスカのベーリング海で獲れた“スケソウダラ”を漁獲後、漁場近くの工場で速やかに骨や皮などを除去し、鮮度を保ったまま、切り身を型枠に並べてブロック状に成型・冷凍のうえ、タイに輸送」という形に改めた。

これにより、冷凍回数を従来の「2回」から「1回」に削減。漁獲した魚をより新鮮なうちに素早く加工して、一度冷凍したら日本の店舗でフライされるまで凍ったまま届くようになり、おいしさの向上を実現した。マクドナルド社内での食材評価システムのスコアでも、「見た目(魚肉の白さ)」、「食感(ジューシーで身がしっかりとしている)」、「風味(魚本来の味)」という3つのポイントで、従来のフィッシュポーションを上回る結果が出ているという。

「フィッシュポーション」生産工程の見直しについて(日本マクドナルド資料)

「フィッシュポーション」生産工程の見直しについて(日本マクドナルド資料)

今回の生産工程の見直しにより、生産工程で排出する水とCO2(二酸化炭素)を削減し、環境負荷の軽減も実現する。
 
従来の加工で使用していた解凍用の水は、年間で約50%を削減し、淡水資源への負荷を軽減。魚の形ではなくブロック状で輸送することで輸送効率も上がり、2回の冷凍に使用していた電力も削減できるため、CO2換算では約38%の削減効果がある。さらに、魚の内臓などは他製品へリサイクルされ、魚由来の廃棄物も約5%削減する。持続可能な漁業で獲られた水産物に与えられる「MSC CoC認証」を生産工程全体で取得し、日本で販売するフィレオフィッシュのパッケージに、MSCの「海のエコラベル」を表示する。11月から12月末までに順次、新パッケージへの切り替えを行う予定。

「海のエコラベル」を表示する「フィレオフィッシュ」新パッケージ

「海のエコラベル」を表示する「フィレオフィッシュ」新パッケージ

日本マクドナルドは今回のリニューアルについて、「おいしさの追求はもちろん、持続可能な社会を目指して、環境問題や社会問題などにも取り組んでまいります」、「ご愛顧いただいている“フィレオフィッシュ好き”の方も、これまでお召し上がりになったことがない方も、四半世紀の時を経てよりおいしく進化した、新しい“フィレオフィッシュ”の味わいを、ぜひお試しいただければと存じます」としている。