三國清三プロデュースのグランビストロ「Dining 33」オープン、「和」を感じるフランス料理を提供、江戸東京野菜など地産地消も意識

グランビストロ「Dining 33」メニュー例
グランビストロ「Dining 33」メニュー例

フランス料理の巨匠として知られる三國清三シェフプロデュースのグランビストロ「Dining 33」が11月24日にオープンする。

1日に600食以上を提供する世界最大級のレストランホールで、三國シェフとしては初めて大皿料理をシェアする形で提供する。また、地産地消やサスティナブルも意識し、江戸東京野菜や、あきる野市内で育てられた黒毛和牛「秋川牛」などを使用しているほか、「アニマル・ウェルフェア」という考えに沿って育てられた和牛などもメニューに取り入れている。コースメニューで、ランチは6,000円から、ディナーは1万1,000円から、それぞれ提供する。

「Dining 33」は、11月24日にオープンの「麻布台ヒルズ」(東京都港区)の中に入居する店舗で、懇親や接待だけでなく日常的にも利用できる店舗にしたという。地上33階にあるため、近くにある東京タワーをより間近に感じられるほか、レインボーブリッジや東京スカイツリーなど、東京の名所も見える。

グランビストロ「Dining 33」店内
グランビストロ「Dining 33」店内

提供される料理には三國シェフがこれまで力を注いできた和の思想を感じられる仕上がりとなっているという。コンセプトの一つとして、江戸前の魚や江戸東京野菜、地元産の乳製品などをメニューに取り入れている。

江戸東京野菜は、江戸時代の参勤交代時に江戸に出仕した大名が持参した農産物が起源と言われ、市中や近郊で栽培されてきた。現在は52種類が登録されている。他にも、江戸前のスズキや、放し飼いの環境で20週かけて肥育することで肉本来の味を楽しめるという「東京しゃも」、あきる野市内で育てられている「秋川牛」、生産量の少ない江戸味噌や東京産の米、東京の日本酒、東京牛乳など、鮮度や製法にこだわった食材の提要を通じて地産地消を促進する。

そのほか、能登半島から摂れる塩や、北海道の甜菜糖(てんさいとう)、世界最古のオリーブオイル生産地、ギリシャ・クレタ島のオリーブオイルなども採用している。併設するパティスリーでは、四ツ谷にあった洋菓子店で三國さんを長年支えてきたシェフパティシエが手掛ける生菓子や焼菓子を提供している。

このほど行われた試食会で、三國シェフは「1日600食以上を出す世界最大級のレストランホール。クラシックのビストロを提供しており、これからもクラシックは続けたい」と話した。

なお、三國清三シェフは、帝国ホテルや数々の三ツ星レストランで修業したほか、1974年に日本大使館ジュネーブ軍縮会議日本政府代表部料理長を務めた。1985年には東京・四ツ谷で「オテル・ドゥ・ミクニ」をオープン(現在は一旦閉業)。フランス料理の発展に寄与する一方で、子どもの食育や、スローフードの推進、病院などでウェルネスフードの啓もう活動などにも取り組む。2017年からは「冷凍食品アンバダサー」も務めている。

〈冷食日報2023年11月21日付〉

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