タニコーが「MEISDEL Kitchen Gallery」を南青山に移転、オーダーキッチンの良さ、伝える

総合厨房機器メーカーのタニコーは6月30日、ラグジュアリーキッチンのショールーム「MEISDEL(マイスデル)Kitchen Gallery」を東京都港区南青山に移転オープンした。家庭用・業務用の垣根なく幅広い方々に、オーダーキッチンの可能性を伝えることが目的。自宅のキッチンや外食店の厨房におけるデザイン・設計について相談できるのはもちろん、シェフや料理研究家を招いたイベントも開催するという。
長年にわたり業務用厨房機器を製造してきたタニコーが、オーダーキッチンの事業を開始したのは約十年前だ。厨房設計は、海外だとオーダーメイドが主流だが、日本は量産メーカー品の設置が多い。そのため、「厨房は裏方なのでお客様は中を見ない。そんなところに色を付けてどうする?」と言われる中でのスタートだった。
小さなスペースへの収納や機器に対するプロのシェフならではのこだわり、細かなステンレス加工など、利用者の様々な要望に応えることで、技術と経験を蓄積。市場を開拓していった。名前のMEISDELは、ドイツ語で職人を意味するMEISTER(マイスター)と、ステンレスを意味するEDELSTAHL(エーデルスタール)を組み合わせた造語で、ステンレスの匠でありたいという意味が込められている。
もともと本社の品川区戸越にあったが、近年、厨房デザインにこだわるホテルや飲食店が増え、手狭になったことから移転を決断。港区南青山に移転オープンした。
谷口秀一社長は次のように話す。「インバウンドの影響でホテルや外食店から、ラグジュアリーキッチンの要望が増えている。外食は本来、非日常の場所であり、お客様に夢や楽しさを提供する場所だ。高価格帯のお店では、食事のおいしさだけでなく、 高級感のある雰囲気の演出もサービスの1つになっている」。
「タニコーが考えるデザインとは、お客様の要望を聞きながら機能性と意匠性を兼ね備えたものを作り上げることだ。シェフがかっこよく見える舞台装置を作ることができる」。

ホテルや飲食店では、調理パフォーマンスを行うオープンキッチンや屋外のテラスキッチンが増えている。MEISDELでは、来店者に魅せる機器デザインや機器性能、ステンレス加工の事例を実機に触れて体験できる。
一方、家庭用キッチンでは、見た目をすっきりさせる需要が高まっている。そのため、家具や壁に加熱機器や冷蔵冷凍庫を組み込み、使用時のみ引き戸を開閉して使えるデザインや、木目やタイル、セラミックなどの他素材とステンレスを組み合わせたデザインも紹介している。
MEISDELのデザイナーの伊東千春さんは「ステンレスにはどうしても冷たいイメージがあり、厨房は、壁も床も機器も色がグレーでモノトーンの世界だ。しかし、タニコーの技術を駆使すればステンレスを曲げることができ、曲線の厨房機器には温かさを感じることができる。また、ステンレスと他素材を組み合わせることで、これまでにない新たな厨房デザインも追求できる。MEISDELを通して、オーダーキッチンの魅力を広めたい。そして、自由に作れるオーダーキッチンを普及したい」と語った。
【ショールーム「MEISDEL Kitchen Gallery」の概要】
◆住所:東京都港区南青山1-15-41 VORT南青山Ⅱ 1階
◆電話番号:03-6271-5020
◆営業時間:10:00~17:00(完全予約制)