「在宅見据えた食品選択が必要」UDFの活用訴え=日本介護食協議会

都内でこのほど開催された「第7回メディケアフーズ展」では各種セミナーが実施された。日本介護食品協議会は1月28日、「施設でのユニバーサルデザインフード(UDF)活用法」と題したセミナーを開催した。

UDFを活用した実践的な事例を武蔵野赤十字病院の原純也氏が解説した。原氏は病院から在宅に帰った患者が食形態の連絡がおぼつかなくて以前と同じ食事を食べられず病院に戻ってしまう現況を嘆き、「これからの給食管理は在宅を見据えて、食品選択をすることが重要である」と訴えた。UDFのメリットとして、①調理時間の短縮、②トータルコストの削減(食材のロス率の低減、作業工程の短縮による人件費減、ミキサーなどの修理費の解消等)、③料理の標準化(調理技術で差が出ない)、④栄養価増が簡単、⑤機能に合わせた食形態の選択が可能、⑥豊富な製品展開(28日時点で1,383種)–を挙げて、「UDFにはどこでも同じ物を食べられる安心感がある。UDFを活用することで、在宅でも安心して食べていただける環境を整えることができる」とした。講演ではマルハニチロ、堂本食品、不二製油、ハウス食品、大冷、タカキヘルスケアフーズ、日東ベスト、ふくなお、ニチレイフーズの9メーカーの製品が入った弁当が試食された。

29日には日本栄養士会の西村一弘理事が「冷凍食品の活用がオーダーメイドの栄養管理を実現する」と題した講演を行った。高齢化の現状や日本人の食事の問題点を説明後、冷凍食品の有効性として①簡単調理、②高栄養、③安定価格、④長期間保存–の4点を挙げ、「冷凍食品を上手に活用すれば、バランスの良い食事がとれてメタボや低栄養にならない」と強調。特に低栄養で悩む高齢者に対して「油を多く摂ってほしいので、調理済み冷凍食品をうまく活用してほしい」と勧めた。