マルハニチロ15年度、売上高4.2%増、営業利益78%増計画

マルハニチロがこのほど発表した15年3月期決算は、連結経営成績で売上高が前期比(マルハホールディングスの14年度決算対比)121億円増の8,638億円、営業利益19億円減の87億円、経常利益21億円減の118億円、当期純利益40億円増の72億円だった。うち、加工事業は売上高が前期比5.5%増2,097億円、セグメント損失は38億円減の20億円。

15年度連結業績見通しは、売上高4.2%増9,000億円、営業利益78.4%増155億円、経常利益22.5%増145億円、当期純利益3.0%減70億円。同社では「15年度計画はV字回復ではなく、14年度の業績の悪いところを回復させることが主眼。無理して掲げた数値ではない」(三田村知尋常務)としている。

マルハニチロ14年度の冷凍食品ユニットは市販用冷食の新商品が好調な販売だったが、アクリフーズ農薬混入事件の影響と円安による原材料や海外生産品のコスト増等により、売上高は61億円減の1,475億円、営業利益は24億円減の△17億円となった。

うち、アクリ事業は売上高117億円、営業利益△28億円。13年度はアクリフーズとして実質4~12月の売上高232億円、営業利益△20億円だったが、マルハニチロが14年度からアクリ事業として再編し、実質8月から生産を開始したものの、14年度のアクリ事業は115億円減収、営業損失は8億円悪化した。

アクリ事業を含めたマルハニチロ単体の冷凍食品売上高は962億円で、13年度(1,062億円)より100億円減収。営業利益は△23億円、アクリ事業を除いた実質の営業利益は5億円。

また、15年度冷凍食品ユニットの売上高は87億円増の1,562億円、営業利益27億円増の10億円計画。マルハニチロ単体ではアクリ事業を含め58億円の増収を見込む。うち、アクリ事業は売上高177億円、営業利益は△8億円の見通し。

なお、マルハニチログループの冷食ユニットの14年度売上高実績は1,475億円、うち市販用が431億円、業務用1,044億円。15年度計画は5.9%増1,562億円、うち市販用が13%増485億円、業務用3.2%増1,077億円。

同社では「アクリ事業は個社ベースで売上高280億円位の実力はあり、13年度は農薬混入事件のため第4四半期分の50億円位が落ちている。14年は回復の準備のため8月からピザ、グラタン、クリームコロッケ、11月からホットケーキの生産を再開。15年度は信頼の回復と売場に商品をどれだけ戻せるかにかかっている。売上高177億円計画は、ぜひそこまで到達させたいという目標」としている。