骨なし魚と楽らく肉版の2つを事業の柱に-大冷・齋藤社長に訊く

大冷は上場後初の決算となったが、売上を前年比3.2%増の271億7,200万円とし、当期純利益も同14.8%にするなど順調に着地した。今期はさらに5.1%増の285億5,000万円を予想しており、このほど実績と今後について齋藤修社長に中央区月島の本社でインタビューした。

–営業利益前年比8.3%減だが利益は十分確保している

商品販売による粗利ではなく、館山等を協力工場へシフトするなど工場運営を切り離すことで設備投資の経費が不要となった点は大きい。もう1つは、カバーできる営業拠点を各地域に集約したこと。支店営業所の業務に関し、金沢を名古屋に、高松を大阪に、鹿児島を福岡へと集約化を図った。また在庫についても広島を大阪に、高崎を東京に引き上げるなど、9か所から6カ所へと在庫を集約化させたことも利益につながった。

–食材高騰や値上げについて

中国での平均的な工賃は月約6万円。一部外食店の中国産食材へのバッシングもあり、シューマイや春巻きなど中華系は国内産がフル稼働している状態。値上げでは、外食は認めてくれやすいが、給食では病院も政府の予算が下げられるなど厳しい状況で、思い通りの半分程度しか進んでいない。値上げが進んでいれば今回の減益はなかった。

–骨なし魚が約134億円と、骨なし魚市場全体の半分近くを占めるほど成長した

骨なし魚は楽らくシリーズの伸びが持続しているが、他社の参入が相次ぎ、品質的に1ランク下げるなど価格を下げてきた。しかし当社はしっかりしたトレースや残骨のX線処理の徹底等を行っており、グレードは高く、品質に見合った価格を提示しているので、その信頼感からお客様の支持に対する自信はある。楽らく製法は特許取得のため真似できない。同じ凍ったまま調理できると言っても、焼き上がり、出来上がり、食感が違う。実際に使っているユーザーに支持されているのはどこか。ユーザーの求める商品をきちんと提案できれば、例え卸が変わってもユーザーは当社商品に戻ってくる。安定供給も含め、これまで培ってきた売り方のシステムを他社が構築するのは難しいのではないか。もちろん他社グレードに合わせ値を下げたスマートシリーズも高齢者向け宅配弁当等には好評だ。

–全文は本紙にてお読みいただけます。