設立10年、50億円突破 冷食・凍野で32億円/ファンズエーピー

給食企業が食材の共同購買事業を行うファンズエーピー㈱(通称「ファンズ」。志太勤一社長)は12日、「第10回会員総会」を京都府のホテルグランヴィア京都で開催した。共同購買の前期取扱額は、対前年比4%増の51億8,778万円と50億円の大台を突破した。また、営業利益は1,747万円、経常利益は1,754万円と増益、当期純利益は25%増の1,088万円と増収増益となった。今期は4社新加入により、全会員75社の総売上は約6,700億円規模に拡大、会員パワーによる購入増と取引先メーカーの価格や開発への協力、会員の意識改革で今期8%増の56億円を目指すとした。

 

総会は、54社110名が参集する中、はじめに志太社長(シダックス社長)は「記念すべき10回目となり感慨無量で皆様に感謝する。12年前に共同購買、アライアンスグループとして創ったのが始まりで、声掛けで45社が集まり試行錯誤を経て53社で法人化して10年。スタート時点では、競合する会社同士が共同購買することは不可能と言われたが、質も商品数も拡大できた。前期取扱高は約52億円、商品数も306アイテムに。4社が新加入社(ジャンボリア、キャッスルホテル、クロスサービス、総合フードサービス)し、現在75社となった」とあいさつした。

新会社を代表し、ジャンボリアの千田法久社長あいさつ、その後、藤井薫ファンズ事務局による決算報告等が行われ、志太社長は「当初は1社だけの力ではと大同団結したが、東日本大震災時は食材確保に力を発揮、今は食材価格が高騰し続ける中、スケールパワーで計画的な数量確保でメーカーが安心できる信頼関係を築くことが大事。お客様の安全安心を核に、給食業界を代表する立場としてメーカーと対峙することも重要だ。バイイングパワーをさく裂し、新規商品を積極的に開発導入し、より会員が買いやすい物流合理化も進めるなど努力していく」と締め括った。

ファンズエーピー開発商品の現状と食材相場について、嶋本徹事務局長は「給食向け食材に特化して開発、現在306品目となった。毎月1回幹事会で選定し加盟各社に紹介し、10年目にして50億円を超えた。取引メーカー及び商社数はグロサリー関係18社、冷凍食品9社、冷凍野菜4社の計31社。各デポへ商品配送体制も全商品でメーカー物流を確立した。今期も為替レートが影響する厳しい環境だが、メーカー・商社と慎重に交渉し価格設定しており、会員は自社の仕入れ価格と比べ納得しほしい」と説明した。

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