【業務用特集⑩】名給、シンプルな組織を構築=小出邦雄副社長

–今期計画と進捗を

今期は売上高3.3%増の325億円を目指している。進捗状況は、上期は前年並みとなり、計画を下回った。直販の業態別では、好調のメディカル分野は11%増加した。主力の産業給食分野は前年並み、学校給食分野は前年割れとなり、惣菜分野は微減となった。卸分野は微増だった。

直販の業態別構成比は、メディカル23%、学校給食22%となり、上期だけではあるが初めてメディカルが学校給食を上回った。そのほか産業給食は33%、惣菜16%だった。このため地区別でも、学校給食のウエイトが高い東京地区が前年割れとなり、名古屋地区は前年並み、大阪地区2%増、九州地区4%伸長した。

学校給食の減少は、消費増税後に給食費の値上げを実施したところが少なく予算不足となったこと、食材費の値上げに加えてアレルギー対応に伴いデザートを含め調理加工品が減少し素材品の販売が増えていることがある。ちなみに全業態では、農産・畜産・水産の冷凍素材が6%増、冷凍加工品が2%増で推移している。素材での価格対応や人手不足による冷凍加工品の使用が増えてきている。

–今期の最重点課題を

全社方針「創意考動」と、営業本部方針「スリム化経営、新付加価値営業」を推進している。

具体的には、次の2つに取り組んでいる。1つは、社内体制を見直し、シンプルな組織の構築と付加価値営業を進めている。新しいシステムを4年前に導入し、基幹及び情報システムを使いこなせるようになり、コストダウンにつながっている。物流面では、豊田物流センターのISO22000による安心安全物流を引き続き全社に普及させる。営業面では、統一企画による全社集約と活性化を図っている。たとえば今期はミラノ万博にちなみ「イタリア」をテーマに全社・全業態で提案しており、全社として販売商品を統一して販売している。この提案は、様々な業態で取り入れられつつある。こういった統一企画で顧客にアピールする。

営業のやり方もシンプル化を目指している。例えば営業担当の入札について、ベテラン専任社員を配置することにより営業は販売に注力でき、情報と営業管理を一元化できる。コスト面でも発送配達費が6%増になる中、経費は微増で抑えられている。

もう一つの最重点課題は、食材の値上げ対応だ。今年からの食材値上げラッシュで、当社も値上げを進めているが、進捗は厳しい。代替商品提案とメニュー提案により値上げの影響を軽減したい。仕入先の値上げの時期がバラバラなため、取引先のメニュー改訂時期に合わせて、4月と9月の価格改定を提案している。

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