ピザ協議会が「ハラルビジネスの基本」勉強会開催

ピザ協議会は4日、東京・大崎の日本ハム・本社会議室で、講師に非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会の佐久間朋宏代表理事(=写真)を迎え、平成27年度第1回勉強会「ハラルビジネスの基本~輸出からインバウンドまで~」を開催した。正会員、賛助・特別賛助会員企業などから約40名が参加した。

佐久間氏によれば、世界のムスリム(イスラム教徒)人口は、世界総人口の4分の1を占め、キリスト教徒に次ぐが、2030年には22億人で世界一に、2050年には世界総人口の3分の1に達することが見込まれるという。日本人は人口減トレンドが確実である中で、もはや「ハラルはブームではなく、取り組まねばならない課題」だと言う。

ムスリムにとっては食品だけでなく、身に着けるもの、自分の行動など生活全般が神に許されている「ハラル」か、神に禁じられている「ハラム」かが重要だという。食品で言えば「ハラル」なものは土の中、水の中から産出されるもの全般で、野菜、果物、穀物、きのこ、牛乳、卵、魚介類は「ハラル」とされる。日本料理で言えば、精進料理や明治以前の料理は総じて「ハラル」だと言える。

一方、「ハラム」な食品として最も気にされるのは「肉」であり、豚、犬由来のものはすべてハラムであるほか、イスラムの方式で屠畜されていない牛、鶏、山羊などの肉とその由来成分、血液なども「ハラム」となる。また中度に気にされるものとして飲料用のアルコール(酒類)があり、みりんなどは調理の過程でアルコール分が飛ばされても「ハラム」となる(消毒用のアルコールはハラムとはされない)。さらに、ハラムな食べ物や道具、食器などと触れたり混じったりしたものも「ハラム」とされる。

もう一つ、イスラムの教えでハラルと対になるものに「トイバン」(安全、健康に良い、高品質)があり、日本の製品は一般的にハラルではないがトイバンであることから、チャンスがあるという。「ムスリム専用では間口が狭くなってしまうので、ベジタリアンメニュー、アレルゲン対応をハラルと絡めてやれば一石二鳥、三鳥になる」とも言う。

–全文は本紙にてお読みいただけます。