統合後の方向性にめど、真の進化へ-65周年インタビュー⑦/ヤヨイサンフーズ川島社長

-2014年4月に旧ヤヨイ食品と旧ニチロサンフーズが統合して新会社となった。足元の状況について

4月以降、開発、生産、品質管理、販売各部門で、技術の融合とレベルアップを進めてきた。14年度の出荷ベースでの売上高は、前年比1.3%増366億円と増収を達成できた。一方、利益面では消費増税による消費減退と、輸入原料高騰の影響で苦戦した。

統合について、方向としてはめどが付いたが、まだ完全に軌道に乗ったとは思っていない。同じ業務用食品メーカーであっても、会社が違うと売り方、組織のあり方も違っている。2社の統合による1+1=2以上の、真に進化したヤヨイサンフーズに向かって、今期は重要な年となるだろう。

今期(16年3月期)は5%増384億円を計画している。営業利益は合併前の2社の単純合計を上回る数値を目指したい。そのためにも、安全安心をすべてに優先したモノ作りによる「品質」、開発・生産が一体となり、マーケットニーズを満たす開発による「商品」、お客様に密着した営業活動・提案活動による「販売」という3点をさらに強化するとともに、業務の効率化、コスト削減も進めていく。

-東日本大震災で旧ヤヨイ食品の気仙沼工場が被災した

現在、失った気仙沼工場の生産分を他工場で85%くらいまで戻したが、まだ卵製品、おにぎりなど復活していないラインがあり、完全ではない。得意先で「セイボリーオムレツ」は非常によかったという声を聞くが、まだラインをどうするか決めかねている。というのも、高齢化が進む中、病院・施設給食向けやわらか食の「ソフリ」シリーズ等、これから伸びていくであろう商品もあるほか、牛丼の具など他の主要商品もラインが逼迫しつつあるからだ。

単純に年2~3%増の成長で計算すると、あと2年ほどで売上高は400億円となる。1ラインのめどを10億円とすれば、400億円までに必然的に1~2ラインを増設するということとなり、それを何に充てるか考えねばならない。

ちなみに競争力を出すためにも製造は自社でやるのが基本だと考えている。「新たな価値の創造とお客様の感動を呼ぶ商品創り」という開発方針のもと、お客様に喜ばれる価値を提案し、他商品との差別化を図っていきたい。

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