国分・丸紅提携、「食品卸における新たなビジネスモデル構築したい」

国分と丸紅は28日、食品卸事業に関する相互出資と提携基本契約の締結に関して都内で記者会見を開いた(一部既報)。国分の國分勘兵衛会長兼社長が提携内容を説明した後、丸紅の國分文也社長は次のように述べた。

「昨年12月に共同で卸売事業に関する提携に向けた検討開始を発表した。それ以降、両社間で活発に協議を重ねてきた。少子高齢化、総人口がピークを打つ中で国内の食品流通業の拡大は見込みづらいという見方もあるが、丸紅としては国内市場は依然として1億人超の質の高い消費者がいる、まだやり方によっては成長できるマーケットと考えている。とりわけ高齢化の進展、単身世帯、共働き世帯の増加と社会構造の変化に伴って、いろいろ消費者のニーズが出てくる。そのニーズに柔軟に対応するために取引先が食品卸事業者に期待する役割は、多様化するとともに高まってくると思う。

このような基本的な認識を国分と共有し、それぞれの経営資源や強み、経験を持ち寄ることでより質の高いサービスを提供できると考えて議論を深めてきた。

結果として国内最大マーケットである首都圏エリアの営業基盤強化、および多様化するニーズに対応する専門卸事業、具体的には菓子と冷温度帯の卸事業強化のために両社の卸子会社に対して相互出資することで強固な食品卸事業グループを形成することが有効という結論に至った。

更に食品卸の老舗として国分が築いてきた取引先との信頼関係に裏打ちされたネットワークと、丸紅が総合商社としてもつ、経営ノウハウやグローバルな商品調達ネットワークとを有機的に組み合わせることで、食品卸事業における新たなビジネスモデルを構築していきたい」