中計「RISING2015」、最終的には計画を上回る着地に-ニチレイ大谷社長

ニチレイは2日、グループ4社の社長年末記者会見を行ったが、ニチレイ大谷邦夫社長はニチレイグループの中期経営計画「RISING2015」の進捗状況等について述べた。

「15年度中間期決算の発表時に通期予想を述べたように、今期は売上高5,271億円(前期比71億円強増収、1.4%増)、営業利益200億円(26億円弱増、15%弱増)の見込みで、これらをクリアできるものと思う。加工食品、低温物流事業もそれぞれ事業方向が奏功している。加工食品事業は生産体制の集約・効率化、低温物流事業の設備投資が成果を上げている。加工食品事業の原価高、低温物流事業の人手不足などコスト上昇のマイナス要因もあるが、最終的には計画を達成し、期末には計画を上回る成果が出ると見ている。水産畜産事業は円安影響もあったが、その対策を図り、かなりの善戦。結果としては当期純利益は120億円を上回る結果になると見ている。

当社は70周年を迎えた。戦後、当社は製氷、冷蔵倉庫、水産の買入れ販売、調理冷凍食品、畜産、バイオサイエンスと時代の変化を踏まえつつ業容を変化させてきた。その根幹はグループが日本の食生活を改善してきたことであり、ミッションの『人々のくらしを見つめ、食を通じて、健康で豊かな社会の実現に貢献する』を時代の変遷とともに確立してきた。食を広くとらえ、低温物流は食に関連した事業として高い品質を維持する保管、物流配送を行う使命を担っている。企業を時代の変遷とともに展開していくベースは人材力。ニチレイグループは時代の変化の適応力を人材育成により強化してきた。今後はグローバル化がさらに進展する。グローバル化は情報革命、物流革命を伴うが、グループの人材、設備、情報により、更なる成長を遂げたい。

TPPの影響について。経済的側面からは低生産性分野へ基本的には市場競争原理が入ると見ている。この中で3つのことがある。一つはビジネスチャンス。これは取り込む。食のサプライチェーンの中でグループの加工食品、水産、畜産、低温物流事業で時間差はあるが、それぞれが対応を図る。二つ目に加工食品事業、素材品事業の原料と製品の流れがTPP合意の中でどう変化するのか見極めていくことが大事。まだはっきりしていないが、各事業会社でそれらを踏まえた上で影響と対応を図っていくことになる。三つ目に間接的影響だが、日本全体を考えるとTPPを入れたことで農業基盤がぜい弱化することは、日本のためにならないのでは、と個人的には思う。生産性の向上に伴い、農業が強化されることが国策としては正解であると、ニチレイグループとは関係は薄いが、そういう視点もあるように思う。

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