【秋季新商品の店頭カバー状況①】1位は味の素「ザ・チャーハン」

本紙は10月下旬~11月上旬、首都圏25店舗と関西地区10店舗の主要スーパーを対象に、家庭用冷凍食品の主要な秋季新商品(リニューアル品除く)17社161品目について、店頭取扱状況(カバー率)を調査した。総配荷点数は、高水準だった昨年を30点上回る828点と増加傾向にある。昨秋に引き続き、特に首都圏を中心に新商品の導入意欲が高いことがうかがえる。注目されるのは、配荷率1位となった味の素冷凍食品の大型商品「ザ・チャーハン」で、全体で91.4%と非常に高い水準で導入が進んだ。

今秋の新商品の店頭取扱状況では、調査対象161品中149品が店頭で確認できた。比率では93%におよび、前年の83%を大きく上回るほか、対象品目にエリア限定(愛知・三重・岐阜)の味の素冷凍食品「きちんとおかず」5品も含め調査したため、実質はさらに高い。

総配荷点数は、一昨年秋の調査時の675点を大きく上回った昨秋の798点をさらに30点上回る828点と、増加傾向が著しい。内訳は首都圏25店舗の配荷のべ点数は前年比3.2%減の630点に対し、関西地区10店舗の配荷のべ点数は34.7%増198点だった。1店舗平均では、首都圏で25.2点、関西地区で19.8点で、引き続き首都圏で導入が盛んな傾向があるものの、伸び率は関西地区が顕著だった。

配荷率の上位19品は、3割以上の店舗をカバーした(表1に12位までの17品を掲載)。上位19品のうち、麺類が9品と最多で、昨年の18品中6品を上回った。中でもパスタが7品と引き続き安定した強さだった。次いでおかず(食卓+弁当)が6品で、うち4品が食卓品、さらにそのうち3品は日本水産の「今日のおかず」シリーズで、注目度の高さを伺わせた。

米飯も4品入ったが、なんといっても注目されるのが配荷率1位となった味の素冷凍食品「ザ・チャーハン」だ。配荷率は全体で91.4%、さらに首都圏では25店舗中24店舗の96.0%と、新商品としてかつてないほどの高水準で導入が進んだ。メーカーも大型商品と位置付け、TVCMを放映するなど、積極的な販促をアナウンスしており、発表時から炒飯カテゴリーの活性化が期待された商品だけに、狙い通りの配荷が進んだと言えるだろう。また、炒飯カテゴリーではニチレイフーズ「豚肉と青菜のチャーハン」も配荷率42.9%で7位に入り、店頭での棚の活性化が進んでいる。

2位はマルハニチロの弁当品「カマンベール入りチーズフライ」で、配荷率は60%とこちらも高水準。特に首都圏では68%と多くの店舗で採用。“カマンベール入り”という差別化ポイントが受け入れられた結果だろう。

3位~6位はパスタが並び、うち5位までは配荷率5割以上と導入が進んだ。いずれも生パスタのトップブランドである日清フーズ「マ・マー弾む生パスタ」および、日本製粉の主力パスタ「オーマイプレミアム」の人気フレーバーを刷新したもので、冷凍パスタの中にあっても発売前から期待度の高い商品であることが配荷につながったものと考えられる。

また、前述の通り日本水産が「海から、健康EPA life」として機能性表示食品の申請中である「今日のおかず」シリーズから3品が配荷率30%以上を達成。健康志向の高まりの中で、注目度が高まっていることをうかがわせた。

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