2016年メーカー方針⑥/マルハニチロ、業態ごとの調理現場に新たな提案、業務用市場を強化

<マルハニチロ代取専務・横手貞明氏>16年の冷食事業で期待しているのが業務用市場。業務用の市場全体は前年並みの水準にあるが、業務用市場を形成する給食、惣菜、外食の各マーケットに、売場提案というよりむしろ調理現場に対する工夫を加えた提案が大事。

また、グループにはヤヨイサンフーズがあり、2社を中心に相乗効果を発揮し、提案活動をコラボレートして進める。

海外事業はタイ、中国中心に冷食の生産拠点がある。その主たる市場は日本で、一部現地販売を行っている。今は販売より生産が主体。日本国内向けは変化するマーケットに合わせた技術力、生産能力、加工度を高める必要がある。

海外は人的労働力が期待されていたが、現在は加工賃が上がり過ぎ、自動化と人的能力のハイブリットな生産体制が重要。現地での販売は海外ユニットとの連携が必要。

15年度の市販用冷食の市場全般は前年並みの中で、「あけぼの」ブランド中心とした伸びは100%を上回る実績で順調。業務用は各業態の外食、惣菜など伸びる分野に適切に商品開発と供給を行い、上期および直近まで予定同売りの進捗。

アクリ事業は上期80億円売上げで計画通り。アクリは今期ピーク時の7割まで回復させる。来年度以降は乳製品のピザ、グラタン、クリームコロッケといった主力製品でどこまで伸ばすかだ。3カテゴリーの競争が激化している中、特徴ある新商品の開発を最重要視している。これを実現し、商品供給していけば残り3割のピーク時回復は可能。

ロングライフチルド(LLC)は今年4月スタート、今年度末に3,000店舗に扱いを広げたいと考えていたが、売場がLLCをどの場所で扱うか模索している段階。そのため展開がスローダウンした。また、LLCは業界関係者には周知のものだが、消費者の理解は遅れている。消費者の理解が進むカテゴリーとしていかに紹介するかがポイント。今年度は計画の4分の1程であり、来年度は約50%へ着実に育てていく。3~4年後には間違いなく周知され広がるように販促努力を続けたい。これまでの商品は12品。店舗には平均6品並んでいる。アイテムはまだ少なく、平均8品くらい揃えるには30品位を出す必要がある。

–全文は本紙にてお読みいただけます。