2016年メーカー方針⑬/明治、冬の高品位ピザに手ごたえ、個食分野の開発に注力

<明治フローズン営業部長・晴佐久 克氏>15年度の冷凍ピザ・グラタン市場は、ピザ、グラタンとも前年を若干割り込む厳しい状況だ。13年末の農薬混入事件の影響から回復できていない。

当社として今期売上高は4~11月で前年割れだ。ただ前期が他社商品の代替による特需があったため、減収幅は想定の範囲内にとどまっているといえる。収益面は建値制度の変更や経費削減によって改善している。

ピザの売上げは大幅に前年を下回った。主力のレンジピザで前期伸長した反動が大きかったことから苦戦したかたちだ。

市場は13年比70%で推移しているが、限られたパイのなかでシェアを争っても仕方ない。市場自体の活性化が必要だ。去年から新しいチャレンジとしてデザートピザを、「こだわりピッツェリア」でも新商品を発売した。

デザートピザはいまだ市場に定着するまでには至っていないが、粘り強く取り組んでいく。年末年始の仕掛けを含め、ピザカテゴリの新しい商品としてチャレンジしていきたい。

11月に「こだわりピッツェリア」の新商品として「具沢山ぜいたくトッピング」を期間限定発売した。通常品よりも思い切った高価 

格設計だが、大手量販店での採用も多く、昨年同時期に発売した高品位商品と比べると販売は3~4倍で好調に推移している。

価格に伴う価値を持たせなければならないが、明治のピザを新しいポジショニングに持っていきたい。

グラタンは若干の前年割れだ。3個入りが順調だが、「銀座シリーズ」が若干苦戦している。グラタンの3個入り商品は特に秋以降、好調だ。量販店のEDLP化によって割安感が感じられているのかもしれない。市場から安定感が見直されている。

自然解凍商品の発売は他社から遅れたが、今秋発売の商品が好調な動きを見せている。このような機能性商品は今後も展開していきたいが、おいしくしていくことが重要だ。

店頭販促の新しい試みとしては、日清食品冷凍と「ピザとパスタでお家でイタリアン」という共同企画を、この11~12月に実施した。両社が連動しやすい品ぞろえによるエンド展開で、全国800店規模となる。

通期売上高は前年割れを見込むが、一昨年比では2ケタ増。特需影響が二巡する今年が重要だ。

今後の商品開発の方向性としては、個食に取り組みたい。また今期から本社組織として冷食とアイスが一本化した、営業効率は高まっているが、商品面でもアイスと冷食の中間の商品が今後出てくると思う。