極洋、新生「塩釜工場」 “魚の極洋”の冷食基幹工場

極洋は18日、宮城県塩釜市に子会社の極洋食品(兼田典幸社長)本社敷地内に新工場が竣工したと発表した。既存工場と連結した新工場による、この新生「塩釜工場」を業務用・家庭用の冷凍食品を生産する、グループの基幹工場に位置付ける。同敷地内に併設する塩釜研究所と共同で生産機器の開発・改良を行い、作業効率の向上による製品コストの低減や商品開発を行うとしている。

極洋は現中計(2015~17年度)において、冷食事業については業務用に加え、家庭用の強化によって事業規模の拡大を目指している。

新工場は水産商事事業を展開する同社ならではの良質な水産素材を使った付加価値の高い商品展開が特徴。家庭用冷食など市販ブランド「シーマルシェ」商品のほか、外食産業・量販店向けなどの業務用商品を製造するが、“魚に強い極洋”という強みを生かした展開を図る考えだ。

安心・安全の取り組み強化も図っている。具体的には▽明確なゾーニングとクロスコンタミネーションの防止▽トンネルフリーザーとスパイラルフリーザーに最新型の洗浄機能を採用▽低誘虫ランプや換気用外気取り入れ部に気密型防虫フィルターを採用▽フードディフェンス対策(工場内入退場管理、最重要エリアへの侵入対策と監視カメラの設置)。

ローコスト化では高能率機器の導入により、現行比1.5~2.0倍に生産性を向上した。

環境配慮の面では▽環境負荷低減型の建材ALCパネル(原材料から再生までの資源循環システムに配慮して設計された軽量気泡コンクリート)の採用▽最適空調管理▽冷凍機にはオゾン層破壊や地球温暖化に影響しない自然冷媒アンモニアでCO2を冷却する間接冷却方式を採用–に取り組んだ。

働きやすさにも配慮して▽ラインの機械化による重労働作業の軽減▽スポット空調による効率的な寒暖対策、を採っている。

地域経済の活性化において、新規雇用の創出のほか、国産魚を原料とする際の前処理を地元の水産加工業者に委託することなどによって、塩釜の経済活性化に貢献していく。