【くら寿司】万博限定メニューの冷凍商品がECサイトで好評、店舗でも月替わりで提供 定番品の棒寿司なども堅調

冷凍の棒寿司
冷凍の棒寿司

くら寿司では、さまざまな冷凍商品をECサイトにて販売している。すでに15年以上も事業を行っており、販売は堅調に推移しているという。今年9月には、「くら寿司 大阪・関西万博店」限定で提供していたメニューを、冷凍商品として販売したところ、予想を上回る注文があったという。また、棒寿司なども人気を集めており、今後もECサイトを通じて様々な商品を提供する。

くら寿司では2010年ごろからECサイトでの販売を開始し、当初はマグロやイクラ、カニ、フグなどが人気の商材だった。今の主力商品はウナギのかば焼きやトラフグ、冷凍の棒寿司などだ。

通販の部署を設けており、コロナ禍以前から販売は堅調に推移していたという。

ECサイトを始めたきっかけについて、広報担当は「お店に来ていただいているお客様だけでなく、近隣に店舗がない方にも、この通販サイトを知ってもらい、『くら寿司』の商品を知ってもらいたいという思いで開始した」と話す。

また、元々新たな取り組みに挑戦する社風もあり、スマートフォンが普及する前から携帯サイトから予約を受け付けていたほか、「くら寿司」を代表するサービスの1つ「ビッくらポン!」も実施している。

人気商品の1つである冷凍の棒寿司は、アナゴやウナギ、エビなどのラインアップをそろえている。広報担当によると「年末年始や、母の日、父の日、お中元などイベントシーズンに特に需要がある商品で、販売は順調に推移している」という。

最近では、「くら寿司 大阪・関西万博店」限定で提供していた世界の料理の一部メニューを、冷凍商品として販売している。万博に参加している70カ国の代表料理を再現した商品で、万博内でしか食べられなかったこともあり、店舗の予約は困難だったようで、会期中の来店者は30万人を超えたという。

そのため、「店舗だけじゃなくて家でも食べたい、というお声があり、万博内の店舗でお持ち帰りセットを今年5月末に開始したほか、全国のくら寿司店舗でも1店舗につき1商品を提供していた。それでも、他の商品も食べてみたい、家でも楽しみたいというお声が強かったため、人気商品の詰め合わせセットの販売に至った」(広報担当)ようだ。

売れ行きは好調で、販売開始初日に売り切れるほどの勢いだったという。そのため、追加での販売も実施している。「世界の料理自体、初めて通販で販売した商品ではあるが、通販の中でも人気の商品だったのでは」と振り返る。今後の販売については、「継続的に販売したい」とコメントしている。

冷凍のおせちの提案にも力を注いでいる。毎年定番の「和風三段重」や「豪華三段重」に加えて、「豪華新春セット」という海鮮や刺身、干物などをセットにした商品や、デザートのバイヤーが厳選した「スイーツおせち」も販売している。

くら寿司「豪華新春セット」
くら寿司「豪華新春セット」

「今回、初めて海鮮だけのおせちと、スイーツのおせちを販売した。冷凍で販売する上で、風味や味を損なわないように調理を工夫し、全てのメニューを美味しいままお届けできるようにした」と話す。

今後については、ウナギのかば焼きやおせちなどに引き続き注力する方針だ。世界の料理については、冷凍だけでなく店舗でも楽しめるよう、月替わりで商品を変えて販売している。ECサイトでも、自社の調達力を活かした商品開発も進めており、より広く利用してもらえるような取り組みを行う。

〈冷食日報2025年12月19日付〉

媒体情報

食品産業新聞

時代をリードする食品の総合紙

食品産業新聞

食品・食料に関する事件、事故が発生するたびに、消費者の食品及び食品業界に対する安心・安全への関心が高っています。また、日本の人口減少が現実のものとなる一方、食品企業や食料制度のグローバル化は急ピッチで進んでいます。さらに環境問題は食料の生産、流通、加工、消費に密接に関連していくことでしょう。食品産業新聞ではこうした日々変化する食品業界の動きや、業界が直面する問題をタイムリーに取り上げ、詳細に報道するとともに、解説、提言を行っております。

創刊:
昭和26年(1951年)3月1日
発行:
昭和26年(1951年)3月1日
体裁:
ブランケット版 8~16ページ
主な読者:
食品メーカー、食品卸、食品量販店(スーパー、コンビニエンスストアなど)、商社、外食、行政機関など
発送:
東京、大阪の主要部は直配(当日朝配達)、その他地域は第3種郵便による配送
購読料:
3ヵ月=税込15,811円、6ヵ月=税込30,305円、1年=税込57,974円