ニッスイ、日本最大級のサーモンブランドが始動 養殖サーモン事業に注力、2030年めどに1万トン体制へ
ニッスイは4月、国内サーモン養殖事業の体制を刷新し、日本最大級の生産量を誇る新ブランド「ニッスイサーモン」を立ち上げた。国内での養殖事業強化を目的とし、2030年を目途に“国内サーモン1万トン生産体制”へと拡大を目指すもので同社は27日、都内イベントスペースで、同事業に関する説明会を開催。天然資源への依存を低減し、海の生物多様性保護につながる養殖事業の可能性についても示した。
同社によれば、現在、世界の水産需要は人口増加に伴い急拡大しており、1人あたりの水産物の消費量はここ50年で約2倍に達している。一方で、日本周辺の海水温は世界平均を上回るペースで上昇し、これに伴う天然資源の減少など深刻な課題に直面しており、「獲る漁業」から、海の生物多様性を守り、水産資源を次世代に引き継ぐ取り組みとして、天然資源に依存しない完全養殖をはじめとする養殖事業への注目が高まっている。なかでも世界的に需要が伸び続けているサーモンは、異業種含め多くの事業者が参入するなど、国内生産への期待が上昇。こうした背景を受け、ニッスイは4月、国内サーモン養殖事業を担う会社として、旧 弓ヶ浜水産からニッスイサーモンへと社名を変更し、「ニッスイサーモン」のブランド強化に乗り出した。
現在ニッスイサーモンは、鳥取県境港市、新潟県佐渡市、岩手県大槌町、同県陸前高田市など国内5カ所の拠点で4,000トンのサーモンを養殖している。2030年の水揚げ目標としては、国内全体で1万トンを掲げ、境港で2,300トン、佐渡市で800トン、岩手県漁場全体で7,000トンを目指すという。発表会で説明に立ったニッスイサーモンの鶴岡比呂志社長(=写真(左)端)は、「サケの来遊数(漁獲数)が低下する中、国内養殖には、鮮度の高さや安全・安心、安定供給など様々なメリットがある。海洋環境の負荷低減にも努め、サーモン養殖という事業を通じて豊かな海を守り、次世代に引き継ぐ取り組みを続けていく」と強調した。
漁業就業者が減少する中、養殖事業においては、自動給餌制御システムやAI技術により魚体重の自動算出など、人手の作業時間を大幅に短縮できる最新技術を導入。今後、陸前高田市広田湾に新漁場の開設を予定しており、既存のイケスの2.5倍となる大型イケス(直径50m)を導入するなど、生産体制の拡大に備えるという。説明会では、ニッスイ中央研究所の塩谷格所長(=写真(右)端)も登壇し、国産サーモン養殖をはじめとする魚類の養殖でニッスイが担う役割を説明した。
〈イメージキャラクターを務める俳優ののんさんが「ニッスイサーモン」をPR〉
発表会には、「ニッスイサーモン」のウェブCMに出演する俳優ののんさん(=写真中(右))も登壇した。サーモンが海の中を泳ぐ姿をイメージしCM撮影に臨んだというのんさんは、「生でも焼いて食べてもおいしい。たくさん味わってほしい。ニッスイサーモンをよろしくお願いします」と笑顔でPR。イメージキャラクター4年目を迎えたのんさんには、鶴岡社長から「ニッスイサーモン」丸魚1匹が贈られた。また人気料理店「賛否両論」店主の笠原将弘さん(=写真中(左))も登壇し、調理実演を行った。オリジナルメニューとして、味付けに塩昆布を使った「サーモンの和風カルパッチョ」を披露し、「調理の幅を選ばず、色もきれいで食卓が映える。和洋中様々料理に活用いただけたら」と、おいしさと品質の良さに太鼓判を押した。

〈冷食日報2026年5月28日付〉








