「食後の血糖値が気になる方に、ノンアルビールは第3世代へ」-サッポロ

サッポロビールは、特定保健用食品(トクホ)史上で初めてノンアルコールビールテイスト飲料「SAPPORO+(サッポロ プラス)」を、5月26日から発売する。難消化性デキストリンの働きにより、糖の吸収をおだやかにする。「食後の血糖値が気になる方に適しており、お客様の選択肢を拡大するための新しい提案」(同社)。

350ml缶、参考小売価格148円(税抜)、想定函数150万c/s(5~12月、350ml×24本換算)。原材料は、難消化性デキストリン(食物繊維)、大豆ペプチド、ホップ、香料、酸味料、苦味料、カラメル色素、安定剤(大豆多糖類)、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(アセスルファムK)。デザインは、健康的なイメージの白と緑を採用。トクホ商品であることが一目で分かるように、上部にトクホマークを配置した。1日摂取目安量は、お食事の際に1缶(350ml)、1日1回を目安に推奨する。食事と合う、スッキリ爽やかな味わい。

同社は23日に商品発表会を行い、時松浩取締役執行役員営業本部長(写真右)、小柳竜太郎新価値開発部長(同左)が登壇した。時松本部長はまず経緯と販売方法について触れた。「2月18日に消費者委員会から許可が下りた。ノンアルコールビールの新しい市場の可能性を開きたい」として、許可の条件として、「当該食品の販売に際しては、製造業者として、飲酒に関する連絡協議会が策定する酒類の広告・宣伝及び酒類容器の表示に関する自主基準(平成24年11月1日最終改正)』におけるノンアルコール飲料の取り扱いに準拠して、当該食品につき成人の飲用を想定した広告・宣伝及び容器の表示等の措置を講ずること。」との条件が付されていると述べた。

その条件に踏まえ、①未成年への販売防止②本製品への注意表示の記載③製品パッケージ、広告・宣伝物にオリジナルマークを記載④HP上での周知活動–を講じる。

○ トクホ飲用者とノンアル飲料者に親和性

小柳部長は開発の背景と商品を説明して「2012年の初頭から開発し、同年12月に特保を申請していた。ノンアル飲料は“ノンアル以前”のアルコール1%未満時代、2009年の“第1世代”のアルコール0.00時代、10年のカロリー・糖質カットの“機能性”時代、そして15年からの機能性+付加価値という“第3世代”に突入する。飲用理由も、これまでは運転ができない・休肝日といった飲めないシーンだったが、“お客様の生活をプラスにする”次世代型に進化する。ノンアル飲料ユーザーの約8割は40歳以上で、また、40歳以上は糖尿病にかかるリスクが急激に上昇する世代だ。この食後の血糖値の上昇を気にする成人をターゲットとする。

トクホ飲用者の直近3カ月ノンアル飲料の飲用経験は、16.9%と、ノンアルだけの平均11.2%を超えており、親和性があると考えられる。

ノンアル飲料の飲用シーンだが、“食事をしながら”が40.1%を占める。つまり炭水化物など食事と一緒にノンアル飲料が飲まれていると考えられる。ここに、食事とともに摂取することで、“糖の吸収をおだやかにする”ノンアル飲料に需要創造の可能性を掴んだ」と述べた。

また同社は、質問に答えて「摂取目安量から言って、500ml缶は考えていない」「プレミアムアルコールフリーは性格が異なり、もちろん併売する。今回ので例えば、ブラックを開発するなどは、現時点で未定。今後の市場性を鑑みて検討する」「ノンアル市場は昨年101%の約1,600万c/s。今年はこの商品がなければ、前年を割ってもおかしくなかった。単なる酒の代替ではない、この市場への参入が続けば、前年を超えていくだろう。だからといって、現時点で、この商品で、野心的な計画を作っているわけではない」とした。