「スプリングバレーブルワリー横浜」が代官山に先駆けてオープン

キリンビールとスプリングバレーブルワリー(SVB)が展開する「スプリングバレーブルワリー 横浜」が25日、オープンした。4月17日オープンの代官山に先駆けて、事業がスタートを切った。

既存の横浜工場内にSVBの醸造設備を新設した。呼称は「イノベーションファクトリー横浜」。5klの小規模タンク28本で醸造する。年間800klの製造能力を持ち、今後最大1,200klまで増強する考え。代官山は年間66klの製造能力なので、主力商品は横浜で醸造する。現在、SVBの6品目に横浜赤レンガで販売している1品目を合わせて、計7品目を生産している。

醸造設備の新設に伴い、これまでレストラン内に設置していた醸造設備は廃止し、新たにビアタバーン(酒場)として生まれ変わった。

「代官山は新しいビールカルチャーの発信基地。自然と共存したビールの未来を目指すが、横浜は明治に生まれたスプリングバレーブルワリーの歴史と伝統を大事にする、というポジショニングの違いがある。1870年、ウィリアム・コープランドによって生まれた、日本で初の商業的成功をおさめたビール醸造所という魂を引 

き継ぐ」(SVB和田徹社長=写真左)。横浜店にはミニミュージアムを設置して「読んで、触れて、楽しんで」歴史を学べる。

横浜のマスターブリュワーは福井森夫氏(写真右)。「ビールにとって核心的に重要なことはバランス。フラッグシップの“496”は、上質な苦味とダイナミックに均衡した味覚によって生まれる、究極のバランスを目指して生まれた。何杯でも飲める飽きない味に仕上げた。ピルスナーの“コープランド”は、苦味の造り込みにこだわり、舌に包み込むような苦味が特徴だ」など製品を紹介した。またオリジナルの高級サーバー「ビアインフューザー」について「ホップやフルーツなどの自然素材にビールを通すことで、香りや風味を付加する。既製品でも、漬け込み方式の機器はあるにはあるが、注ぐ段階の最初と最後で、濃度・品質に差が出やすいという欠点があった」と紹介し、「今後もビールをもっと面白く魅力的なものに変える新しい試みと挑戦を行いたい」と語った。