サッポロがトレジャリーとパートナーシップ締結、「ペンフォールズ」発売

サッポロビールはこのほど、トレジャリー・ワイン・エステーツ・ジャパン(以下、TWE/本社・オーストラリア)との間に戦略的パートナーシップ契約を締結した。7月より、オーストラリア「ペンフォールズ」をはじめ7ブランドを追加し、TWE社のファインワイン全9ブランドの取り扱いを開始。ポートフォリオの拡充とワイン販売体制の強化で、今年のワイン売上は前年比11.3%増の155億円を目指す。

24日には発表会見を都内で開催。同社取締役執行役員時松浩氏(写真中左)は、「今年当社は、価値ある“オンリーワン”の積極的な投入をビジョンとして掲げた。ワインでは、拡大する市場の中でも、特に高い伸び率を示す小売価格1,500円以上のファインワインに着目。TWEとのパートナーシップで、“ファインワイン事業No.1”を目指す」とあいさつした。

同社が7月以降販売するのは、「ペンフォールズ」、ニュージーランド「マトゥア」、イタリア「カステッロ・ディ・ガッビアーノ」、アメリカは既存の「ベリンジャー」「サンクレメント」に加え、「エチュード」「シャトー セント ジーン」「スーヴェラン」「スタッグスリープ」を追加し、「ベスト・オブ・カリフォルニアともいえるラインナップが揃った」(同氏)。

TWEについては、TWE社取締役社長でアジア・ヨーロッパ・中東・アフリカ地区担当のフォバート・フォイ氏(写真中右)が「歴史的ワイナリーを多数保有する世界最大のワイン取扱い企業のひとつ。販売先は世界70カ国以上におよび、 

昨年の売上は17億オーストラリアドルだった。1990年から日本でも販売しているが、今回の提携を受け、あらためて存在をアピールし、ブランドを構築するとともに、消費者ニーズにあった商品を届けたい」と話した。

今回の目標は2つ。サッポロビールの持つプレミアムワインへの強いコミットメントを通し、ラグジュアリーワインをさらに成長させること。また、成長目覚ましい日本市場での位置づけを確かなものにすることだ。TWEでは現在80ブランドを所有しており、うち15を注力ブランドと位置付けている。「日本を含むアジア市場では6ブランドに集中した戦略と投資を行う」(同氏)。

なお、今回サッポロが発売するブランドの選択は両社で行ったとのこと。TWEはほかに「ウルフブラス」「リンデマン」などのインターナショナルなオーストラリアブランドを保有するが、今後サッポロへのブランド追加予定を尋ねると、「今は白紙。まずこの9ブランドに集中し、軌道に載せることが先決」(フォイ氏)。