大手卸3月期、消費増税の仮需反動で売上減、物流費増が収益を圧迫

大手卸の3月期決算が出揃った。2014年4月の消費税引き上げと、円安による原材料費と物流費高騰が大きく影響した。消費税は2014年1~3月の仮需の反動による4~6月の買い控えと、2015年1~3月の前期比マイナスをもたらした。また「増税後に、業態を超えた小売業間の競争激化と、納価引下げ要請のための見積もり合わせがあった」(大手卸)。多くの大手卸にとって収益バランスが崩れたが、コストコントロールとオリジナルPB商品の強化などの差別化戦略で乗り切った期となった。
3月期決算の三菱食品、日本アクセス、三井食品、伊藤忠食品、日本酒類販売、旭食品、ヤマエ久野の7社のうち、増収は4社、減収は3社。営業増益は伊藤忠食品とヤマエ久野の2社にとどまった。
三菱食品は、売上高が2.1%減、営業利益2.7%減。駆け込み需要の反動減と夏場の天候不順が響いた。メーカーとの取引で従来の売上と連動したリベートの契約ではなく、在庫ロス・返品削減などに貢献する機能リベート契約に変更することを進めている。また、ドラッグストアを中心にウェルネス分野への取組みを強化する。