ビール5社の1~6月課税出荷数量

ビール5社とビール酒造組合が発表した1~6月のビール類の課税出荷数量は、前年比99.4%の1億9,575万c/sとなった。2~3月が昨年の増税前仮需の裏返しで1~3月は10%程度のマイナス、4月が仮需反動の裏返しで20%程度のプラス、5月が大型連休を中心に天候がよく、気温も高くてほぼ前年並み、6月も晴天が多く、またメーカーの政策的な対策などもあり、8%程度のプラスだったとみられる。5月までは累計で97~98%だったとみられるが、6月で一気に前年並みに持ってきた。猛暑が本格化する中、最盛期である7、8月の消費増が期待されている。

ビールは各社の限定ビールなどの提案が奏功して98.9%、発泡酒も糖質ゼロ・プリン体ゼロの発泡酒が好調で112.4%だが、新ジャンルが95.5%と低迷した。

1~6月のメーカー間シェアは、アサヒビールが38.1%で6年連続トップ。前年同期比0.03ポイント(P)伸ばした。2年連続のシェアアップ。「シェアはあくまで結果であり、下期も“コト消費”の創出などで流通各社に対する提案に磨きを掛けたい」(小路明善社長)。キリンとの差は4.1P。前年同期は5.0Pの差だった。サントリーは上半期で過去最高の前年同期と同じ15.5%。

前年同期比で小数点1ケタ台で、アサヒ変わらず、キリン0.9P増、サントリー変わらず、サッポロ0.9P減、オリオン変わらずとなる。

アサヒビールの1~6月の課税は、合計で99.5%と、業界平均を上回った。ビールは97.9%だが、樽生の販売数量が前年を上回った。発泡酒は「スタイルフリー計」が105.6%など好調で103.5%。新ジャンルも「クリアアサヒ計」が108.5%などで102.2%となった。

キリンビールの1~6月の課税は、合計で102.2%。5社中唯一のプラスとなった。ビールは「一番搾りブランド計」が「全国9工場限定 一番搾り」や「小麦のうまみ」などが寄与して105.7%。

発泡酒は「淡麗ブランド計」が「淡麗プラチナダブル」が牽引して105.0%。新ジャンルも「のどごしオールライト」「のどごし青空小麦」の寄与や、マイレージキャンペーンの効果もあり前年並みとなった。

なお、機能性商品計が139%と好調。1月発売の「のどごしオールライト」は、累計販売本数が1億本を突破した。

サントリーの1~6月の課税は、合計で99.3%。「ザ・プレミアム・モルツ」は100.3%で、上半期として過去最高の販売数量を達成した。「金麦」も102.1%で、過去最高の販売数量となった。なお同社の中元ギフトは、5~6月累計で前年比114%と大きく上回っている。

サッポロビールの1~6月の課税は、合計で92.1%。ビール計は99.0%と好調、発泡酒も「極ZERO」好調で4.7倍となったが、新ジャンル67.5%が響いた。