景気動向、8月は恵みの暑さ、秋も新酒や催事に期待の声-内閣府ウォッチャー

内閣府はこのほど、景気ウォッチャー調査8月分を公表した。8月の現状判断では、小売、飲食ともに「良くなっている」声が散見。お盆までは天候が良かったことが大きいとみられる。酒販店では、「売上が大変好調に推移している。特に顕著な動きとして、当地に入港しているロシア船に積み込むウィスキー、ブランデー、ウオッカなどの注文が増えている。また、8月については、大型客船への納入が新規に決まったことも売上に大きく寄与している」(北海道)、コンビニでは「例年よりも暑かったほか、酒類の品ぞろえを増やしたことで、来客数は前年比で30%増となった」(近畿)といった声があり、飲食でも関東だが、「前年と同じ高単価商品を季節メニューで投入しているが、注文数が増えている。領収書を切らない人の会計金額も上がっている」との声も出ている。

一方で慎重な声は、東北、東海、四国の酒販店で「いまだに動きは鈍い」とするムードが強いが、東北の酒販店では「コストパフォーマンスが良く質的にグレードの高い商品の動きは良い。このような傾向は今まで都市部でみられていたが、地方においても顕著になってきている」との声もある。

9月以降の先行き判断では、8月とは変わって「良くなる」見通しも散見された。中身をみると、秋になって涼しくなれば、新酒や祭りなどもあって、来客、消費も進むとの期待感がある。北関東の食品メーカーでは、「先進国、特に、オーストリア、アメリカ、フランス、チリ、アルゼンチン等の輸入ワインの動きも気になるが、円安が安定し、国産ワインも底堅く推移しており、秋の新酒に期待できる」、沖縄のコンビニでは「街の居酒屋が、若者向けの店揃えが良くなっており、25歳前後の客が増えている」という声も出ている。

一方で、「悪くなる」見通しは、依然として景気の回復がみられないという声が根強い。前提として景気頼みに重きがあると、先行きも暗くなりがち。ダメもとで思い切った仕掛けを考えていくなど、前向きな声を訊きたいところだろう。