清酒特集 注目集める主要ブランド派生商品、純米系の新商品も目立つ

灘・伏見の大手清酒メーカーが投入する秋冬の新商品では、「まる辛口」や宝酒造の「澪」〈DRY〉などの主要ブランドの派生商品が注目を集める。また、純米系の新商品も目立ち、新製法の採用や新酵母を用いた“NEW純米酒”の登場や、SMの売り場でも定着した1,000円前後の大吟醸の成功に続けと、複数社が純米大吟醸を投入している。季節限定パックの見直しも進んでいるようだ。団塊世代の飲酒量が減ったことによって大容量のパックから小容量のカップへのシフト傾向が指摘される一方、好調なカップ商品をヘビーユーザー向けに設計し、中容量の4合瓶で投入する動きも見られる。
○ 4月の貯金で4社がプラス
日本酒組合中央会がまとめた1~8月の清酒出荷数量は前年同期比1.3%減で推移している。吟醸酒は10.5%、増純米吟醸は13.6%増と、吟醸系は2ケタ増と引き続き好調で、純米酒も3.4%増とプラスを維持。特定名称酒の中で本醸造酒が4.2%減と唯一マイナスで、比率の大きい普通酒が3.4%減となり、全体を押し下げるという傾向が続いている。
昨年の消費税増税による仮需反動の裏返しで、灘・伏見の大手清酒メーカー各社は4月の大幅増の貯金があり、9月期決算の黄桜を除く3月期決算の9社のうち、4~8月で数量が前年を超えたのは4社となった。8月は大型商品の出荷で前年超えのところもあるが、前半の気温が高かったことなどから落ち込んだ模様で、9月も営業日数が1日少ないため前年超えのハードルは高かった。