最終コーナーに向けて ビール4社の営業トップに聞く③ キリンビール・布施孝之代表取締役社長

–第3四半期までを振り返っていかがですか。
市場を見ると1~6月と比較して7~9月は少しペースが落ち、前年比でマイナス幅が拡大したとみている。8月上旬は猛暑だったが、お盆を境に冷夏、また台風上陸など天候要因が大きかった。しかし、当社は上半期のトレンドを維持し、回復傾向が続いている。1~9月の総市場課税は微減だが、当社売上はほぼ100%だ。今年「V字回復の軌道に乗せる年」としているが、その流れのなかにある。
戦略としては「一番搾り」と「機能系」という2つの軸をブレずに活動しており、それが一番の成長ドライバーとなっている。
–11月、12月はどのような方針ですか。
残り2カ月、本当に今年、V字回復の軌道に乗せられるかどうか。年間で実現するためにも最後の第4コーナーが正念場となっており、集中力を切らさず、やり切りたい。
大きな軸は変わらず「一番搾り」と「機能系」だ。「一番搾り」は、人気タレントの嵐を起用したマイレージキャンペーンと、10月下旬発売の「一番搾り とれたてホップ」が後押ししている。「とれたてホップ」は計画以上で推移している。また12月1日発売の9工場で生産した「一番搾り」第2弾の「地元うまれシリーズ」の受注も予定数量を2~3割上回っている。